内閣総理大臣の臨時代理は麻生氏→菅氏の順
菅氏が主張するように、望月氏は「事実に基づいて質問」していないのか。まずは「ナンバーツー」の問題から。内閣法では内閣総理大臣の臨時代理を指定することになっており、現在の内閣では最初に指定されているのが麻生太郎副総理兼財務相で、菅氏はその次。内閣法上は菅氏は「ナンバースリー」ということになる。閣議の席順は、序列が高い順に安倍氏、麻生氏、茂木敏充経済財政・再生相。ここでも菅氏は「ナンバーツー」ではない。
では、「ドタキャン」はどうか。「ドタキャン」とは「直前になって約束を破棄する意の俗語」(広辞苑第7版)で、今回のケースに当てはめれば、一度は面会の約束が成立している必要がある。
高市早苗総務相は16年4月22日の会見で、ケイ氏は面会日程を2つ指定してきたが、いずれも国会日程で調整できなかったため、副大臣や情報流通行政局長が対応したと説明していた。
ケイ氏も4月19日の記者会見で、「国会日程で多忙」だとして高市氏から面会を断られたことを明かしている。この会見では、菅氏への面会要請に関する話題は出なかった。これらの発言からは、政府が「約束を破棄」したと読み取ることは困難だ。
望月氏は1月17日午前の会見でも、
「こういった(日程を理由に面会を断る旨の)発言そのものが、核なき平和を目指していこうという動きに逆行しているという批判が野党議員から聞こえた」 「会談のこと、参加条約の効果・効能について話し合っていくということについての政府の姿勢をお願いします」
などと質問し、菅氏は
「あのー、昨日答えたとおりです」
と応じた。