菅義偉官房長官が2018年1月16日午後の記者会見で、記者の質問に対して「ドタキャンなんかしてません!」と声を荒らげる一幕があった。
ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が安倍晋三首相との面会を希望したのに対して政府が日程上の都合を理由に断ったことを受け、東京新聞社会部の望月衣塑子(いそこ)記者が野党の発言を紹介しつつ面会の実現について質した。その中で望月氏は、16年に「表現の自由」をめぐる調査のために来日したデビッド・ケイ国連特別報告者との面会を「政府側がドタキャンしたという経緯があった」と主張し、菅氏が「事実に基づいて質問してください」と反発した。質問は「事実に基づいて」いたのか。
「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」
フィン事務局長との面会をめぐっては、菅氏が1月15日午前の会見で
「外務省から日程の都合上、(面会)できない旨を回答したところ」
などと説明していた。面会の実現を求める声が多いことについては
「日程の都合上難しいということで、それ以上でもそれ以下でもない」
とした。
安倍首相や菅氏との面会は実現しなかったが、佐藤正久外務副大臣が1月16日に行われた与野党10党・会派との討論会に出席し、
「核兵器禁止条約に署名することはできないが、現実的に核軍縮を追求する考え」
と従来の日本政府の主張を展開した。