2018年12月にスタートする4K・8K放送にあわせた帯域再編の影響で、BS放送の一部チャンネルで「解像度」が低下する予定だ。これまで「横1920×縦1080ドット」だったものが、地上デジタル放送と同じ「横1440×縦1080ドット」になるのだ。
こうした解像度の低下が報じられると、インターネット上では心配や不満の声が噴出。しかし、4K・8Kなどを推進する「放送サービス高度化推進協会」(A-PAB)の担当者はJ-CASTニュースの取材に、「画質は従来と変わりません」と話す。その理由とは...。
対象は「NHK BS1」と民放キー局の5チャンネル
今回の帯域再編で解像度が低下するのは、NHK BS1、BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSフジの5チャンネル。そのうち、NHK BS1では1月14日未明に帯域削減が実施され、すでに解像度が1440×1080ドットになっている。
今後、1月22日未明にBS朝日とBS-TBSを、1月29日未明にBS日テレとBSフジの作業を行う予定。あわせて、それぞれのチャンネルの解像度も1440ドットになる見込みだ。
総務省の公式サイトなどによれば、この帯域削減は12月スタートを予定している4K・8Kの本放送に向けて実施しているもの。今後、一連の作業で空いた電波の帯域を使うことで、既存のBSアンテナでNHKや民放キー局の4K放送が受信できるようになるという。
こうした帯域再編作業によるBS放送の解像度低下は、ネットメディア「AV Watch」(15日配信)や日経新聞(ウェブ版、16日配信)に報じられた。そのうち、AV Watchの記事では、今回の解像度低下について、
「『画質を優先して地デジではなく、BSを録画する』といった使い方をしている人は注意が必要かもしれない」
と注意を促していた。
「画質はこれまでと変わりません」
こうした報道を受けて、ツイッターやネット掲示板には、
「スポーツ中継では、差が出そうな予感...」
「地上波よりビットレート高いから、BSの方選んで録画してたのに、そりゃ無いぜ」
「新しいサービスに対応するため既存の放送の解像度を落とすというのはなんかモヤモヤする」
といった心配や不満の声が相次ぐことに。さらには、「こんなことするんなら4Kなんていらん」など、4K・8K放送に向けた帯域再編そのものに批判的な意見も出る騒ぎとなっていた。
だが、民放やNHK,、テレビメーカーなどで作る専門団体A-PABの担当者は1月16日夕のJ-CASTニュースの取材に対し、解像度の変更で画質が悪くなることを心配する必要はないと強調する。その理由について聞くと、
「実は、放送各社のほとんどが番組の映像を1440×1080の規格で管理しているため、解像度が変更となった後も実際の画質はこれまでと変わりません」
と説明。続けて、「視聴者の皆様にご不便をおかけすることはないと考えております」とも話していた。