辛旨ラーメンで知られる人気ラーメンチェーン「蒙古タンメン中本」の店主・白根誠氏が「声優デビュー」を果たした。2018年1月期のテレビアニメ「ラーメン大好き小泉さん」(TOKYO MXなど)に本人役で出演したのだ。
一体なぜ、こんなことに? 「冗談で『俺自身の役だったらいいよ』と言ったら...」(白根氏)。
「店主白根、声優デビュー!」
「ラーメン大好き小泉さん」は、無口でミステリアス、ラーメンを愛するJKの小泉さんを主人公とする物語で、原作は、鳴見なるさんの同名漫画(竹書房)だ。小泉さんの声は、人気声優の竹達彩奈さんが務めている。
2018年1月11日放送の第2話は、小泉さんのクラスメート・中村美沙(声:鬼頭明里さん)が交際男性とのデートでフラれる場面から始まった。美沙は直後、デート現場の近くで小泉さんを発見、こっそり彼女の後をつけることに。向かった先は、「蒙古タンメン中本」の吉祥寺店だった。
2人が店の中に入ると、男性の声がカウンター越しに聞こえてきた。
「あのお、お客様、先に食券を...」
金髪頭に赤い鉢巻きを締め、口元にきれいな「チョビヒゲ」を生やしたこの男性は「蒙古タンメン中本」の店主・白根誠氏その人だ。外見は本人の特徴を忠実に再現しているが、それだけではない。本人自ら声を担当していたのだ。
「店主、白根も店員として登場してますので、是非、ご覧下さい!!」。同店の公式サイトでは「店主白根、声優デビュー!」と題し、放送前からそう宣伝していた。ツイッターなどでは白根氏の登場に、
「蒙古タンメン中本の店員さんアレ本物(社長)じゃないか!」
「中本の代表の人がアニメ化されて出てきてて面白かったw」
「ラーメン大好き小泉さん、中本の社長がまさかの本人役...」
との声が相次いだ。
ツウの小泉さんは期間限定メニューの「北極スペシャル学生サービスゆで卵入り」を、「蒙古タンメン」初体験の美沙は「北極ラーメン」(辛さレベル9。最高は10)を注文。出来上がりの場面では、白根氏が
「お待ちどおさまです。こちら、北極です。こちら、北極スペシャル学生サービスゆで卵入り。あと、追加のバターです」
と長いセリフを読む一幕もあった。
「自分でも笑っちゃいました」
白根氏は1月14日、J-CASTニュース編集部の取材に
「初めは店員役で出てくださいと言われたのですが、冗談で『俺自身の役だったらいいよ』と言ったら本当になってしまいました」
と、出演経緯についてファクス文面を通して明かした。長いセリフを読む場面については、
「素人なので難しかったです。何回もやり直しをしていただきました」
記者の「出来栄えに点数を付けるとすれば」との質問については、
「点数は付けられません。自分の棒読みのセリフに小っ恥ずかしいです。自分でも笑っちゃいました」
と答えた。
カウンターの位置取りや、著名人のサイン、メニュー表...。アニメは実際の吉祥寺店を忠実に再現しているようで、白根氏も「ここまで細かく描写してもらったことに驚きです」という。
アニメでは、小泉さんが初体験の「北極ラーメン」の辛さにもだえていたが、白根氏が、初めて食べる客にオススメする食べ方は何か。
「辛い物がある程度食べられる方には看板メニューでもある『蒙古タンメン』で、辛い物が若干苦手な方には『味噌タンメン』をおススメします。まずはこれらから始めていただき、徐々に辛さアップして楽しんでいただきたいものです。また当店は辛さが全くない『塩タンメン』や『冷やし醤油タンメン』などもあります」