漫画家で評論家の小林よしのり氏(64)が、お笑い芸人がテレビのワイドショーなどで政治や時事問題を論じることについて、「吐き気がする」などと嫌悪感を露わにした。
小林氏は2018年1月14日のブログで、「もともと頭が悪いから芸人になったはずなのに」と政治評論などの分野に進出するお笑い芸人を猛批判。こうした小林氏の持論について、インターネット上では「差別的」との指摘も出ている。
「善人ぶってる芸人を見ると...」
小林氏は14日のブログでまず、「アホの坂田」こと坂田利夫さん(76)を絶賛。坂田さんはお笑い芸人の中でも「別格だ」と切り出し、
「飽きないし、ネタ以前のアホの真髄を極めた人間の可笑しさだ。これは一代限りの芸で、誰も越えられない。生身の人間でアホの坂田を超える芸人は出て来ないだろう」
と称えた。その上で、自らは漫画で「坂田超えをしたい」と考えているとして、「だからわしはギャグ漫画を描き続けなければならない」とも続けた。
このように坂田さんの芸風を絶賛した上で小林氏は、活動の幅を広げる最近のお笑い芸人にも言及。芸人の絶対数が増えて「活躍の場が足りなくなった」可能性があるなどとして、
「(事務所側が)ワイドショーのコメンテーターに売り込んだり、政治評論家にしようとしたり、場を広げるのに躍起になっている」
と指摘した。
さらに小林氏は「もともと頭が悪いから芸人になったはずなのに」と切り出し、
「ワイドショーや政治評論で、善人ぶってる芸人を見ると、ムカムカして、奴らが滅びるのも間もなくだと予感がする」
と嫌悪感を露わに。その上で、「芸人なんて河原乞食の末裔のくせに、常識振りかざして、コメンテーターしたり、超未熟な政治知識で正論こいたりしてるのを見ると、吐き気がする」(原文ママ)ともつづった。
「漫画家がそれを言っても...」の声も
こうしたブログについて、インターネット上では、小林氏がお笑い芸人を「もともと頭が悪い」「河原乞食の末裔」などと表現したことを問題視する意見が相次いだ。ツイッターやネット掲示板には、
「全芸人に喧嘩を売った」
「頭が悪いから芸人になるわけではないでしょう」
「よくもまあこういう差別的な事を平然と書けるな」
「芸人を本気で差別するやつなんか言論の場にいるべきではない」
といった批判的な書き込みが数多く出ている。そのほか、「漫画家がそれを言ってもブーメランになるだけ」と小林氏の持論にツッコミを入れるユーザーも目立っていた。
そのほか、小林氏が1月2日のブログで、討論番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)に出演したお笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さん(42)について、「知識は小学生以下」「無知なおっさん」などと痛烈に批判していたことから、今回のブログの内容についても、
「村本のこと?」
「たぶん村本の事を言ってるのだろう」
などと憶測するユーザーも出ていた。