新聞社説から総スカン 18年度予算案の「甘い」見通し

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財政規律への懸念

   各紙の予算への基本的評価の部分を並べると、次の通りだ。

日経「税収増加や国債金利の低下を背景に、財政規律がさらに緩むことが心配だ」
朝日「あまりに危機感が乏しいと言わざるをえない」
毎日「借金まみれの危機的な財政を一段と深刻にしかねない内容だ」
読売「国の財政難や社会保障を巡る国民の将来不安に応える予算になったか。政府の強い意思が表れているとは言い難い」
産経「(財政再建の旗は降ろさないという)約束を裏付ける歳出改革は不十分である。むしろ、消費税の使途変更などを機に財政規律が緩んだ印象が濃い」
東京「先進国で最悪の財政状況という現実から目をそらし、小手先の帳尻合わせに終始した。財政規律を喪失し、後世への問題先送りを続ける政権の無責任さは目に余る」

   さらに具体的には、歳入面では、「景気拡大の継続を前提とする税収増と、金融緩和による超低金利(...略)の結果、歳出を増やしつつも新たな借金は減らす絵を描いてみせた」(朝日)わけだが、「税収は景気に左右される。景気頼みの借金減らしは都合が良すぎる」(毎日)。特に読売は詳細に論じ、「見積もりの前提となる経済見通しには甘さが目立つ。政府は、来年度の経済成長率を名目2.5%と予想した。大方の民間予想が1%台後半にとどまるのとは対照的だ。実際の成長率が見込みを下回れば税収が想定に達せず、歳入に穴が開く。実際、2016年度は税収が見込みから2兆円規模で下振れした結果、補正予算で赤字国債の発行を余儀なくされた」と、くぎを刺す。

   歳出面では、社会保障への切り込み不足の指摘が並び、とりわけ団塊の世代が75歳以上になり、社会保障費が急増する「2025年問題」への危機感も目立った。「巨額の借金を抱えたまま歳出がどんどん膨らめば、財政は持続できなくなる。裕福な高齢者には医療費の負担増を求めるなど踏み込んだ対応が必要だ」(毎日)、「25年には(...略)医療・介護費の急増が予想される。改革を先送りする時間的余裕はない」(読売)といった具合だ。

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