中国の底力「技術者ボーナス」 イノベーションの本番はこれから

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中国の技術者は日本の5倍

   こうした高等教育を受けた人材の蓄積が、中国の「技術者ボーナス」の強固な土台を築いた。UBS中国証券研究責任者の侯延?氏は以下のように指摘している。

「中国の豊富で安価な理工学部の研究開発人材によって、中国の研究開発コストは外国より低水準を保ち続けると考えられている。言い換えれば、中国の技術者ボーナスが現在になって徐々に現れ始め、今後10年間持続するものと見られる」

   さらに、国泰君安証券研究所グローバル・チーフエコノミストの花長春氏は、メディアのインタビューに次のように答えている。

「新旧経済の転換の過程で、技術者ボーナスが中国の新技術の主要な動力源になり、中国の製造業、特にハイエンド設備製造業の未来は明るい」

   同氏は、一部の中国の製造業企業が過去10年間で蓄積した技術は、今後、輸入製品に取って代わることができると考えており、次のように述べている。

「我々の調査研究によると、例えば浙江省や(江蘇省)常州市のいくつかの製造業企業が持つ技術と設備は非常に顕著な進歩を遂げており、海外企業と完全に競争することができ、その競争力も高い。彼らが抱えている技術者のコストパフォーマンスは高く、人数は膨大だ。中国の技術者の総数は日本の約5倍であり、我々の人的資源は優位性を持っていると言えよう」

   しかし、こうした技術者集団は、現在の中国ではグーグルや日本のヤフーなども使えず、日本の全国紙、経済紙さえインターネットで見ることはできない。英字情報へのアクセスはもっと不自由であり、海外情報とは基本的に遮断されている。もし、彼らが本当に海外の情報を自由にアクセスできるようになれば、中国はどう変化するか想像もつかず、技術者ボーナスによる発展の可能性はさらに大きい。そう思うのは考えすぎだろうか。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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