日本経済新聞で校閲を担当する記事審査部の公式ツイッターが、「今年の新語2017」(三省堂)で3位に選ばれた単語「パワーワード」について投稿したツイートが、ネット民の注目を集めている。
「パワワと略されます」「私の昨年一番のパワワは(中略)『婚約者と別れた』」――。こんなつぶやきに、ツイッターのユーザーから「それパワーワードじゃないです」「少し違う気がする」と使い方にツッコミが殺到しているのだ。
「『婚約者酢豚にして食った』なら分かる」
「パワーワード」は、主に「第三者が共感、納得できる言葉」「インパクトがある言い回し」のような意味合いで使用することが多い。実際、ツイッターで「パワーワード」と検索すると、
「10代妻というパワーワード」
「あん肝バター担々麺というパワーワードには抗えなかったよ...」
といった関連ツイートを確認できる。
三省堂は2017年を代表・象徴する新語ベスト10を発表した「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2017』」で、第3位にこの言葉を選んだ。同社の国語辞典の編集者は、同社サイト「今年の新語2017」で、
「パワーワード〔power word〕(名)①説得力のあることば。②表現が異様で、強烈(キョウレツ)な印象のあることば。パワワ〔俗〕。〔二〇一〇年代に広まった用法〕」
と記している。
この「パワーワード」をめぐり、日経の記事審査部の公式ツイッターが2018年1月10日、以下のように投稿した。
「『パワーワード』は力強いことば、強烈な印象のあることばといった意味で、パワワと略されます。三省堂の『今年の新語2017』では3位に選ばれました。みなさんにとってのパワーワードは何でしょうか。私の昨年一番のパワワは友達からのたった一言のメール。『婚約者と別れた』でした」
だがネットユーザーの多くは、この「婚約者と別れた」はパワーワードと呼べない、と考えたらしい。ツイートの返信(リプライ)欄には、
「それはパワーワードとは少し違う気がするのですが...」
「『婚約者と別れた』くらいだとパワーワードとは言わないです。『婚約者酢豚にして食った』なら分かる」
「個人的な主観ではなく、冷静な第三者が見て『何を言っているのか分からない』文字列がパワーワードだと思います」
とのツッコミが相次ぐことになった。
「パワワってなんだよチワワかよ」
さらに「パワワと略されます」との記述をめぐっても、
「まずパワワって略すの初めて聞いたわ なんか間抜けやな」
「パワワなんて略す人見たことない」
との指摘が相次いだ。
「『パワーワードはパワワと略されます』というパワーワード」
「『パワワ(By日経新聞校閲担当)』こそがパワーワードかと」
との皮肉めいた声や、ツイッターで人気を博したウェブアニメ「月曜日のたわわ」になぞらえた
「パワワ、月曜日のたわわみたいで語感がw」
「パワワなんて聞いたことないな...。たわわなら毎週月曜によく見たけど」
との声もみられる。
論より証拠だ。ネットで調べれば、何か分かるかもしれない。
記者はそう思ってグーグルで「パワワ」と検索したが、「チワワとパグをミックスしてみた結果w」などのサイトが表示されるばかり。ツイッターでも、「パワワってなんだよチワワかよ」との声が上がっている。
日経の広報室は11日のJ-CASTニュース編集部の取材に、
「新しく生まれたことばも、使われ方を確かめながら紙面づくりに生かしていきたいと思います。一つのことばの受け止め方は人それぞれであることを改めて勉強できました。略語については三省堂による記述などを参考にしました」
と回答した。