1989年の1月7日。昭和天皇が崩御し、「昭和」の時代が終わりを迎えた。
「平成30年」となった2018年の1月7日を迎え、ネット上では29年前の当時の様子を思い出す人が少なくなかった。現在の天皇陛下(今上天皇)の退位日が2019年4月30日に決まったことに重ね合わせ、「平成」の時代の終わりを意識する人たちが、思いを新たにしているようだ。
29年前のテレビ、新聞は連日の報道
昭和天皇は1901年4月29日に東京・青山の東宮御所で生まれ、21年に大正天皇が病床に伏したことを受けて摂政に就任。26年に大正天皇の崩御を受け、天皇の地位を受け継ぐ「践祚(せんそ)」をされ、124代目の天皇となった。
45年の太平洋戦争を経て、戦後は全国の巡幸を通じて地方の視察をしたり、国際親善のために海外を訪問したり、自身の海洋生物や植物の研究も続けるなど、精力的に活動をしていた。
しかし、87年9月に宮内庁病院に入院。手術を受けたが、翌88年に再び療養生活に入った。容体は回復することなく89年1月7日6時33分、皇居の吹上御所で十二指腸乳頭周囲腫瘍のため崩御。87歳だった。
88年の後半以降、日本のテレビや新聞は連日、昭和天皇の血圧や体温、脈拍などの容体などを宮内庁が発表する様子が報道されていた。
「街がしーんとしていた」
こうした昭和の時代の終焉を体験したと思われる人たちからは、この日、
「昭和がこの日までだったから。 当時高校生だったので、『何かよくわかんないうちに平成だった』訳ではなく、社会というか大人が何やら混乱気味になっている様子を見ながらも、新しい何かが動き出すのを感じて理解していた」
「昭和64年1月7日は私は近所の歯科に予約をしていたが 天皇陛下崩御で休診。 近所の商店が全てシャッターを下ろし テレビのcmが無くなった代わりなのか橋から街を映した画像で 父にこの場所はどこか聞いたら博多だったと記憶している」
「昭和64年1月7日、朝テレビをつけて、昭和天皇の崩御を知った。 とりあえず何がどうなるとか何か変わるのか?全くわからないままいたけど、 あの日に初めて『半旗』というものを知ったのを覚えています。 街がしーんとしていた。 『大喪の礼』や『葱華輦』ていう言葉もあの時に知った」
「昭和64(1989)年1月7日。昭和天皇が崩御された日は今でも多くの人の記憶の中に残っているの...は一斉に特別番組が組まれ、夜は街から灯りが消えたのを覚えています」
といった反応が、ネット上で多く見られた。
そして、今上天皇の退位を意識した、
「1月7日というと思い出すのは『昭和が終わった日』だなぁ。来年で平成も終わるけど」
「翌日1月8日から今上陛下の御代平成の幕が上がったが、平成の御代も幕を閉じる」
「昭和天皇が崩御されたのが確か今日。国中が喪に包まれた中で始まった平成ですが、平成の次の世はそれとは異なり、祝賀ムードで時代が始まることでしょう。その点では平成天皇の退位のありようは、一つの意義ある先例に思える」
という声も目立った。