フジテレビ系で2018年1月7日に放送された「ワイドナショー」では、「やっと放送できるスペシャル」と題し、今までの放送分の未公開シーンが放送された。
その中で、俳優の武田鉄矢さん(68)とミュージシャンの泉谷しげるさん(69)が昭和歌謡の変化について語り、「てめえの都合ばっかり...」と、武田さんが吠える一幕があった。
KAN『愛は勝つ』リリースが転機
番組では、17年11月20日の毎日新聞の記事を受けて、「若者の間で昭和歌謡がブーム」という特集が組まれた。音楽事務所アミューズの「アミューズ カフェシアター」で昭和歌謡をテーマとしたレヴューが行われていたり、のど自慢で若い世代が昭和歌謡を歌う姿を見るという話になると、武田さんが、
「よく出来ているんですよ、昭和の歌は」
と述べ、昭和歌謡の歌詞やメロディーを高く評価した。そのうえで、
「日本人がどう変わっていったのかが、歌でわかる」
と切り出した。
武田さんによれば、昔の昭和歌謡は自分のことを馬鹿にするような「自虐ソング」が多かったとし、例として細川たかしさんの「心のこり」や、藤圭子さんの「新宿の女」を挙げて、武田さん自ら熱唱。そして、
「昔の昭和歌謡は、自分のことをバカにするっていうエネルギーがすごかった」
とした。
ただ、1980年台後半にそういった「自虐ソング」が無くなっていったという。その代わりに出てきたのが、「私、頑張れ」といったメッセージを込めた「頑張れソング」だといい、一例としてKANさんの「愛は勝つ」がリリースされた頃から「頑張れソング」が増えてきたと分析した。そういった「頑張れソング」について武田さんは、
「てめえの都合ばっかり歌ってんだよ」
と一言、スタジオが笑いに包まれた。
これに泉谷さんもコメント。60~70年代は高度経済成長期にありながら自嘲ソングが多く、それは時代に存在した「余裕」であり、当時は「毒を吐く時代」だったと持論を展開。逆に、80年代は厳しい時代になってきたことから、応援するような歌が増えてきたのではないかとし、武田さんを擁護した。
視聴者「『贈る言葉』も応援ソングだろ!」
視聴者からはこれにネット上で多くの反応が寄せられ、
「昭和歌謡の話、超面白かった!この話題だけで特番3時間くらいやってほしい!!」
「昭和歌謡ってシンプルで歌い安くて良いものいっぱいあるよね」
「昭和歌謡が若者の間で流行ってるって... 感性が広がって良いことじゃん」
と、好意的な声が多く見られた。また、
「昭和歌謡が若い人たちにブームらしいが、近年の曲は聴く分には昭和の楽曲より、はるかに音楽的に高度だが、自分で歌うとなると技術的に難しすぎて音楽的センスが求められるからな」
と、自分なりの分析をする向きも。
一部には、
「昭和歌謡の件で武田鉄矢さんがあれこれ言ってたけど、何か納得できなかった...私は今の曲が好きだから(もちろん昭和歌謡も良いと思いますよ)、むしろムカついた」
「贈る言葉も応援ソングだろ!」
といった声も見られた。