中国の電気自動車は失速する  既に現れた、これだけの「前兆」

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   さまざまな予兆が、中国の電気自動車(EV)市場の人気は2018年は継続しない可能性が高いことを示している。

   まず、重視するのに値するシグナルは、すでにEVについて供給過剰の局面が出現していることである。中国自動車工業協会(China Association of Automobile Manufacturers)のデータによると、2017年1~9月、自動車製造企業は計42万4000台の新エネ自動車を生産したが、販売台数は、それを下回る39万8000台だった。またアナリストは「個人消費者の購買台数は総販売台数の4分の1に過ぎず、その他は国有タクシー会社、あるいは公共サービス車両チームが購買したものだ」と推測している。

  • 北京では駐車場の充電施設の拡張工事があちこちで進められている。
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消えるEV補助金

   中国の消費者が電気自動車を買う一番の理由は、政府の補助金により電気自動車の価格が基本的にガソリン車とほぼ同じであるためだが、今やこの補助金という要素が消失しようとしている。

   新エネルギー自動車の補助金は、中央財政補助と地方財政補助の二つの部分に分かれる。『財新網』は2017年12月16日付で、全国乗用車市場信息聯席会秘書長補佐の盧華平氏の談話を報じた。

「中国政府は現在、2018年の中央財政補助政策の調整について検討しているところだが、走行距離が長く、低エネルギー消耗の車のタイプを奨励する傾向にある。同時に地方政府の補助金の取り消しもまた大いにあり得ることである。政策制定に近い人の話では、北京市は2018年、真っ先に地方補助を廃止するかもしれない」

   北京や上海といった大都市は、一貫して電気自動車購買の絶対的な主力であった。それは、こうした大都市では電気自動車のナンバープレートの方が、取得が困難な通常の燃料車のナンバープレートに比べるとはるかに取りやすいからである。

拡散される「私はどうして電気自動車はクズだと言うのか」

   価格の強みがなくなり、単にナンバープレート取得が容易であるという要素だけでは、電気自動車の需要増加を支えるのは難しいだろう。

   既にEVの使用については現在、電池の持続性、充電の利便性、運転体験、快適度、安全性、修理の利便性などで、徐徐に不満足という結果が明らかになりつつある。そのうえ、価格の強みも失われるとなると、EVの評価は大きな影響を被るだろう。

   2017年12月中旬、「私はどうして電気自動車はクズだと言うのか」という文章が、微信(We Chat)上で李広泛氏の「朋友圏(友人グループ)」に「転送」された。この文章は微信公式アカウント「根叔説車」に発表されたもので、この公式アカウントは自動車業界内では非常に知名度が高い。

   実際にこの文章が初めて発表されたのは2016年8月27日で、当時は「根叔説車」ミニブログと他の一部のメディアのページに転載されていた。統計によると、初掲載から数日間でクリック数がたちまち1000万を超えたという。どうしたことか、それから1年以上たっても、この文章はまた新たに「転送」され始めている。

   「転送」は、一種の支持の態度表明である。この文章の内容を細かく紹介する必要はないが、表題を見れば何を言っているかは一目瞭然で、微信やミニブログのコメント欄をみると、この見方を支持する人が圧倒的多数のようだ。

   さらに『ウォールストリート・ジャーナル』の11月20日の報道は、2017年11月18日に開幕した広州モーターショーで、多くの自動車メーカーが発表した電気自動車は、予想に反してさほど熱い反応を得られなかったという。

   広州モーターショーにおけるEVに対する冷淡さは、2018年の市場が芳しくない、もうひとつの明らかな前兆と考えられる。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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