3人組アイドルグループ「光彩MIRAGE(ミラージュ)」が、結成から1か月と経たずに解散を発表した。メンバーらの告発によれば、解散の理由はプロデューサーの男性が周囲を「騙していた」ことにあるという。
いったい、何があったのか。J-CASTニュースは2018年1月5日、プロデューサーの行動を最初にツイッターで明らかにした元メンバー・加藤花菜さん(23)に話を聞いた。
結成わずか24日で解散
光彩MIRAGE(ミラージュ)は17年12月4日に結成。しかし、そのわずか24日後の12月28日にグループの公式ツイッターで解散を発表。理由については「伏せさせていただきます」とし、さらに続く投稿では、
「内情をお話することは社会人としてタブーとされているので、メンバーの口からも語られることはないと思います」
とも伝えていた。18年1月20日には東京都内でデビュー公演を実施するとも告知していたが、そちらも出演が取り止めとなった。
だが、解散発表の直後に加藤さんがツイッターを更新。「私たちのプロデューサーである人がメンバー及びスタッフ全員を騙していました」として、
「大手芸能事務所で勤めていると言う風に誘い結局はただの一般人でした。彼はライングループも抜け、ブロックをしオフ会の売上金を持ったままです」
とグループ解散の理由を暴露した。
その後、他メンバーの三浦彩南さんも「金だけは置いてけという気持ち」と切り出し、「プロデューサーの件に関しましては今まで皆さんの見えない所で何度も苦しみました」と怒りを滲ませたツイートを投稿した。
いち早くプロデューサーの行動を告発した加藤さんはJ-CASTニュースの取材に対し、グループに参加したのは、プロデューサーからツイッターのダイレクトメッセージ(DM)で誘われたことがきっかけだったと説明する。
このとき、加藤さんは別の芸能事務所に所属し、タレントとして活動していた。しかし、大手芸能事務所に勤務していると偽っていたプロデューサーに騙される形で、所属していた事務所を辞めて光彩MIRAGEの活動に参加したという。
メンバーにセクハラLINEを連発
このプロデューサーは、メンバーやスタッフらに配っていた名刺にも、勤務していると偽っていた芸能事務所の住所を掲載していた。しかし、記載されたメールアドレスのドメインは「yahoo.co.jp」だった。
周囲には28歳だと説明し、活動のための資金は潤沢にあるなどと公言。芸能事務所の仕事として、地下アイドルのプロデュースを始めたと訴えていたという。
光彩MIRAGEは、12月23日に結成後初イベントとなるファンとのオフ会を実施していた。参加費は1人あたり5000円。加藤さんによれば、その売上金をプロデューサーが持ったまま、連絡が一切取れない状況になった。売上金の総額は5~10万程度とみられるという。
さらに、メンバーや女性スタッフがプロデューサーから度重なるセクハラを受けていたとも加藤さんは訴える。
実際、加藤さんがJ-CASTニュース編集部に提供したLINEのスクリーンショット写真を見ると、このプロデューサーが複数のメンバーに繰り返し「結婚しよう」などと一方的に迫ったり、性行為を求めるようなメッセージを送ったりしていたことが確認できる。
また、プロデューサーのウソが明らかになった理由について、加藤さんは「怪しい行動が目立っていた」と振り返る。
具体的には、活動開始後に訪れたファミリーレストランで、食事代をメンバーの三浦さんに支払わせたり、活動のための衣装代をメンバーに自費で支払わせたりする場面があったという。
「ニセ名刺」の電話番号に連絡すると...
そうした中で、加藤さんが12月22日、プロデューサーに「大手芸能事務所勤務」の事実関係を迫ったところ、プロデューサーは自らが「解離性人格障害」だと説明。光彩MIRAGEのプロデュースを行っていたのは虚言癖がある別人格だ、などと主張し、
「現在××(編注・原文では大手芸能事務所の名前)で働いている話も嘘です」
と打ち明けたという。
その後、プロデューサーは別のスタッフらにもウソを認め、今後の活動方針について改めて話し合いを進めていた。解散発表の経緯について聞くと、加藤さんを含む複数のメンバーがLINE上でグループ脱退の意を告げた直後に、プロデューサーが独断で解散を発表したと明らかにした。
すでに加藤さんは警察に被害届を出す意思を固めているという。1月下旬には、警察の担当者に今回の騒動について直接報告する予定だそうだ。取材の終わり、記者がプロデューサーについての思いを加藤さんに聞くと、
「自分の犯してしまった行為を素直に認めまともな人間になって欲しいです。売上金 を取った事より、私たちの夢と時間を奪った事、騙していた事の謝罪をしてほしいです」
と明かした。
なおJ-CASTニュースは1月5日、加藤さんから提供を受けたプロデューサーの名刺写真に掲載された携帯電話の番号に連絡したが、電話から聞こえてきたのは女性の声。プロデューサーとの関係を尋ねたが、カタコトの日本語で「私は知らない。関係ない」と話すだけだった。