「戌笑う」の格言通り? 2018大発会は「爆上げ」

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   「戌笑う」――。株式相場の格言では、「戌年は株価が上がる」とされる。その格言どおり? 年明け最初の取引となった2018年1月4日の東京株式市場は、日経平均株価が大きく反発した。

   終値で、2万3506円33銭。前営業日(17年12月29日の大納会)から、じつに741円39銭も上昇する「爆上げ」。年初来高値を更新して、戌も大笑いするロケットスタートだ。

  • 2018年の大発会、株価爆上げ! 1年後はどうなる?
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銀行株がけん引、三井住友FGが2年2か月ぶりの高値

   「株価3万円」の、強気なアナリストらの背中を押すような大発会となった。1月4日の東京株式市場は寄り付き(2万3073円73銭)から大きく買われ、日経平均株価は心理的な節目とされる2万3000円をあっさり回復。大発会としては、2万3801円を付けた1992年1月以来26年ぶりの高値水準となった。

   1年前のこの日(17年1月4日、1万9594円16銭)と比べると、3912円17銭もの上昇だ。

   年末年始の海外株式市場は総じて堅調だった。米株式市場ではダウ工業株30種平均やハイテク株を中心とするナスダック総合指数などの主要指数が最高値を更新しており、4日の日本株はその流れを引き継いだ。市場関係者によると、「むしろ、日本株は出遅れ感があった」という。

   日本株は全面高で、ダイキンやキーエンス、富士通、住友鉱山、任天堂、三菱電機などが高い。ファナックや京セラといったハイテク株にも買いが入った。

   なかでも、出遅れ感が強かった銀行株に買いが殺到。三井住友フィナンシャルグループ(FG)は続伸。一時、前営業日比147円高の5015円まで買われ、2017年12月20日以来8営業日ぶりに年初来高値を更新して、15年11月以来2年2か月ぶりの高値を付けた。三菱UFJFGやみずほFGも高い。

   ちなみに、三井住友FG傘下のSMBC日興証券とSMBCフレンド証券は1月1日付で合併。仕事始めの4日、東京都内で記念式典を開いた。メガバンクは昨秋来、店舗の統廃合や人員削減などの国内事業の再構築に乗り出しており、その評価も今後の株価に反映されそうだ。

   東証1部の全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)は、46.26ポイント高い1863.82で終了した。

アベノミクスで株価は2倍超 戦後3番目の上昇

   大発会での株価高騰に、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相も上機嫌だった。

   銀行・証券、生命保険などの仕事始めとなる1月4日、経団連会館などでは賀詞交歓会が開かれ、各所を飛び回っていた麻生氏だが、生命保険協会でのあいさつでは安倍政権のこの5年の実績を、こう紹介して胸を張った。

「5年前にデフレ脱却を掲げ、日銀に金融緩和をやってもらい、アベノミクス政策を推し進めてきた。当時は経済をよく知らない記者にいろいろと叩かれたが株価は堅調だ。首相在任期間中に株価を一番押し上げたのは、佐藤栄作首相で3.07倍にした。次に中曽根康弘首相で2.87倍。安倍首相は2.3倍(17年12月29日)で3番目になった。2倍以上、上げたのはこの3人。きょう(13時過ぎ)も500円を超えている。株価上昇は年金などの資産運用の場面で、すでに国民の利益になっており、目に見えてよくなっている」

そのうえで、少子高齢化の「壁」があることも強調。「次世代への道筋をつけたい。生産性を高めることが課題だ」と話した。

   とはいえ、日本株の波乱要因がないわけではない。北朝鮮や中東情勢をいった地政学リスクがくすぶる。さらに、2018年は米国の中間選挙も控えている。トランプ大統領が「内向きな」な、「アメリカ・ファースト」主義を強めることも予想され、その言動に連動して日本株が翻弄される場面も予想される。

   一方、4日の東京外国為替市場の円相場は、横バイでこう着状態が続いている。15時時点は前営業日(17年12月29日、終値112円64~66銭)と比べて1銭円高ドル安の1ドル112円63~66銭だった。日経平均株価が一段高となったものの、為替相場の反応は薄く、小動きが続く。

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