アベノミクスで株価は2倍超 戦後3番目の上昇
大発会での株価高騰に、麻生太郎副総理兼財務・金融担当相も上機嫌だった。
銀行・証券、生命保険などの仕事始めとなる1月4日、経団連会館などでは賀詞交歓会が開かれ、各所を飛び回っていた麻生氏だが、生命保険協会でのあいさつでは安倍政権のこの5年の実績を、こう紹介して胸を張った。
「5年前にデフレ脱却を掲げ、日銀に金融緩和をやってもらい、アベノミクス政策を推し進めてきた。当時は経済をよく知らない記者にいろいろと叩かれたが株価は堅調だ。首相在任期間中に株価を一番押し上げたのは、佐藤栄作首相で3.07倍にした。次に中曽根康弘首相で2.87倍。安倍首相は2.3倍(17年12月29日)で3番目になった。2倍以上、上げたのはこの3人。きょう(13時過ぎ)も500円を超えている。株価上昇は年金などの資産運用の場面で、すでに国民の利益になっており、目に見えてよくなっている」
そのうえで、少子高齢化の「壁」があることも強調。「次世代への道筋をつけたい。生産性を高めることが課題だ」と話した。
とはいえ、日本株の波乱要因がないわけではない。北朝鮮や中東情勢をいった地政学リスクがくすぶる。さらに、2018年は米国の中間選挙も控えている。トランプ大統領が「内向きな」な、「アメリカ・ファースト」主義を強めることも予想され、その言動に連動して日本株が翻弄される場面も予想される。
一方、4日の東京外国為替市場の円相場は、横バイでこう着状態が続いている。15時時点は前営業日(17年12月29日、終値112円64~66銭)と比べて1銭円高ドル安の1ドル112円63~66銭だった。日経平均株価が一段高となったものの、為替相場の反応は薄く、小動きが続く。