蛇行走りの駒沢エース工藤に大八木監督、らしくない「優しい激励」 ネット「涙出てくる」と反響

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   第94回箱根駅伝の7区で、駒澤大学のエース・工藤有生(なおき、4年)にかけた大八木弘明監督の言葉に注目が集まった。

   「いいか、4年生最後だよ」。脚に異状をきたした工藤の背中で、いつもは厳格な大八木監督は落ち着いた声で励ました。

  • 駒沢大学陸上競技部のインスタグラムから(画像は2018年1月2日の投稿。一部加工)
    駒沢大学陸上競技部のインスタグラムから(画像は2018年1月2日の投稿。一部加工)
  • 駒沢大学陸上競技部のインスタグラムから(画像は2018年1月2日の投稿。一部加工)

「たったあと1キロ、これ下ったらもう終わりだからね」

   駅伝主将の工藤は7区で苦しんだ。後半、左脚に異状をきたし、走りながら何度も手で叩いた。フラフラと蛇行するような走りになり、上半身も安定しない。

   エースの工藤は今季駅伝主将に抜擢された。無名だった高校時代から、箱根の注目選手に育て上げたのは大八木監督だった。17年12月23日放送の「箱根駅伝 絆の物語」(日本テレビ系)によると、大八木監督は「駅伝主将を工藤にしたのは、あいつがエースだから。体で示してほしい」と期待をかけていた。

   1年生から強豪・駒沢の練習メニューを完璧にこなした工藤は1年生の時に4区を任された。大八木監督は追走する監督車から「いいか!男になれるぞ!」と強く声をかけた。春先に故障した時は、「徹底的に直してもらわないといけない。知っている先生方に電話をかけて診てもらった」と愛弟子にできる限りを施した。

   工藤は12月に坊主頭にした。「なんとしても最後の箱根駅伝で監督とチームに恩返ししたい。気合入れました」と笑った。そして「監督がいなかったら今の自分はいない。監督という存在に出会えてよかった」と恩義を感じている。

   7区ラスト1キロ、苦しむ工藤に大八木監督は後ろから、厳しいイメージとはやや異なる優しげな声で話しかけた。

「少しでも前で渡してあげないと。いいか。離されないようにいくぞ。たったあと1キロ、これ下ったらもう終わりだからね。いいか。白頭(徹也=駒大8区)に少しでも。いいか、4年生最後だよ」

   中継する日本テレビの実況アナウンサーは、大八木監督が工藤に声をかける際に実況を一時中断。耳を傾けた。工藤は顔を上げ、歯を食いしばってタスキをつないだ。トップから14分29秒遅れの13位。ツイッターでは

「工藤くん残り1キロというところで、いつもはオラァァァァァお前男だろぉぉぉぉな大八木監督が、4年間よくがんばったなぁと監督車から工藤くんに声かけてて、全わたしが泣いた、、、そういう泥くさい大八木監督が好きだぁぁぁぁ」
「大八木監督が工藤さんに声かけてるの聴いてたら涙出て来るわ。。」
「駒澤大 4年生工藤君、フラフラになりながらも大八木監督の励ましを背によく走り切った!無事に襷繋げられて本当によかった!苦しい中、完走お疲れ様でした」
「大八木監督と工藤の関係がよく見えた気がする。工藤、よく走りきった!4年間お疲れ様!!」

といった声が続々と寄せられていた。

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