東洋大が1区に続いて1年生の吉川洋次(1年)が4区で快走を見せた。首位でたすきを受け、トップを守り続けた。
解説の大迫傑によると、トップで走るのは有利だという。「先導車もいて風よけになるんです」。
「一番は気持ち良く走れます」
4区の距離は前年大会から、18.5キロから20.9キロに2.4キロ延びた。細かなアップダウンが20カ所以上もあり、走り方が難しいとされる。これまで下級生の「登竜門」的区間だったが、山上りの5区へバトンを受け渡す意味でも大事な「準エース」区間となった。
首位の東洋大がこの重要な区間を託したのは、1年生の吉川洋次だ。解説の瀬古利彦氏が「顔もフォームも最初と変わらない」と舌を巻く走りで、序盤から淡々とペースを刻んだ。
同じく解説の一色恭志(GMOアスリーツ)はこうしてトップをひた走る利点について、
「やはり一番は気持ち良く走れます」
と指摘。目の前の先導車が風よけになる長所もあるという。
吉川は後半に入っても、順天堂大の栃木渡(4年)が前年度に樹立した区間記録を1分以上上回るペースで走り続けた。吉川が異次元の領域に入っているように見えたと、解説席の大迫は言う。
「堂々としていて、ゾーンに入っているなと。周りの声などがシャットアウトされて自分の世界に入っているな、という印象です」
ちなみに、区間賞は神奈川大・大塚倭(4年)の1時間2分21秒だ(区間新記録)。吉川はこの記録よりわずか1秒遅い1時間2分22秒だった。