経営陣の不正への関与をどこまで解明できるか
今後の焦点は外部調査委が執行役員だけでなく、神鋼経営陣の不正への関与をどこまで解明できるか、だろう。これまで川崎博也会長兼社長、梅原副社長らは経営陣の組織的な関与を否定し続けてきた。不正に直接関与しないまでも、今回の執行役員と同様、「取締役が不正の事実を認識していた」と判明するだけでも責任は重大だ。
神鋼の外部調査委は元福岡高検検事長の松井巌弁護士を委員長に、札幌高裁長官や公正取引委員会委員を経験した山崎恒弁護士、元検事の和田衛弁護士の3氏で組織する。今回の発表で、外部調査委が「御用監査」ではなく、独立性・透明性の高い組織であることが証明された。外部調査委が設けた内部通報窓口(ホットライン窓口)には「複数の案件が寄せられ、その中には慎重な調査が求められるものが含まれている」という。神鋼のデータ改ざん問題は2月末までの調査延長で、実態解明がどこまで進むか注目される。