「漫画村」というキーワードでツイッターを検索すると、こんな投稿が次々と引っかかる。
「オススメ(の漫画)は『××××』(中略)漫画村って検索すればそこから全部読めますよ」
「危ない!買うとこだったww漫画村で××××読めるの?」
「全巻漫画村で読んだけど、今まで読んだマンガの中で一番好き」
「漫画買おうと言ったら学校の子に『そんなの漫画村(?)で読めばいいじゃん』と言われた...」
「学校でも流行ってるわ漫画村」
つぶやきの主には、プロフィール欄の内容などから、中学生や高校生と見られる低年齢のユーザーも少なくない。
「画像の保管元は漫画村と一切関係ありません」と説明
ツイートにある「漫画村」は、最近注目を集めているウェブサイトだ。サイトを見ると、「名探偵コナン」や「ONE PIECE」、「進撃の巨人」といった人気漫画が、当たり前のように掲載され、「無料で」閲覧することができる。見開き型のビューアーなども備えられており、一見すると出版社などが運営する公式のサービスにも見える。
しかし、これらの漫画は著作権者に無断でアップロードされたものだ。運営者は「漫画村はネット上に落ちている画像を機械で収集して保存しているウェブ型クローンサイトです」と称し、「10月以降漫画村自身のサーバーには画像を保管しなくなりました。また画像の保管元は漫画村と一切関係ありません」と説明、あくまで他者がアップした画像をまとめているだけ、という体裁を取り、「漫画村は日本国内のいかなる企業・個人との関わりはありません」と主張するが――。
「もぐら叩き」状態の違法サイト
Googleでの検索傾向の推移を調べられる「Googleトレンド」のデータによると、「漫画村」が注目されるようになったのは2017年4月後半ごろだ。
ちょうどこの時期、やはり大量の漫画を違法アップロードしていたサイト「フリーブックス」が突然閉鎖された。フリーブックスについては講談社や小学館など、複数の大手出版社からも問題視されており、すでに対応に向け協議を進めていたタイミングだったという。
そのフリーブックスと入れ替わるように台頭してきたのが「漫画村」だ。ひとつ消えればまたひとつ、といった具合で、権利者からすればまさに「もぐら叩き」である。
こうしたサイトの利用者には、冒頭に挙げたように低年齢層も少なくない。フリーブックス閉鎖の際にも、「悲鳴」を上げたユーザーの多くが若者だったことが注目を集めた。12月25日に投稿された、身の回りの小中学生にまで「漫画村」の利用が広がっている、というツイートは、27日までに2万5000回近くリツイートされるなど、非常に話題を呼んでいる。