「脱石炭」転換の大きなハードル
2017年の冬、中国―は「石炭から天然ガスに転換」、「近いうちに、北京に青空が戻る」というスローガンを、より早く貫徹するために、北京の各級政府が最終的に集計したガス供給量は暖房期間に必要な量をはるかに上回るだろう。
実は、暖房用ガスの大躍進だけでなく、今年、北京は神業のように火力発電所を全部閉鎖しており、現在、現地発電はほとんどをガスに頼っているのだ。
しかし、深刻な「ガス恐慌」が起きた時、中央政府はCNPCに一切の代価を惜しまず、北京にガスを供給するようにさせるだろうが、河北省はや北方の他の省については誰もが「われ関せず」である。
暖房で田舎によくあるのは、低層の人々が粉炭を燃やすことだが、これが冬期のスモッグ発生の主要な原因である(もちろん、これだけではないが)。「石炭からガスへ」「石炭から電気へ」転換するのは、北方の大気汚染問題を解決するためには避けて通ることのできない一本の道である。
しかし、4億トンに上る都市部、農村部の冬期暖房用の石炭を全部天然ガスに換えるとすれば、中国の天然ガスの年間消費量の倍に相当する。また、天然ガスには輸送、貯蔵の限界と、冬季暖房用と言う季節性があり、さらに供給を短時間で増やさなければならない。倍とは言わぬまでも、10%増やすことでさえきわめて大きな試練である。あらかじめパイプライン、備蓄ステーション、サービスステーション、ガス源を整備したうえで、ようやく末端の消費者を普及させることができる。これには時間が必要で、ゆっくりと進めるしかない。
中国が今冬のような深刻な「ガス恐慌」と寒い冬に見舞われていることは、完全に政府の政策決定と執行の問題である。
(在北京ジャーナリスト 陳言)