今年の春先から初夏にかけて相談件数が急増
消費者庁による今回の注意喚起からちょうど1年前、2016年12月22日にも同庁から、ヤフーをかたる事業者による架空請求詐欺とその手口について公表されていた。犯罪集団は自分たちを「ヤフー総合窓口」「ヤフー総合受付」と称したり、ヤフーを「Yahoo」とアルファベット表記したりして、だましのメッセージを送りつけてくる。SMSで相手の不安をあおって電話させ、受話器の向こうからあれこれとウソを言って最終的に金銭を支払わせるのは、今回と同じだ。
1年前も今回も、もちろんヤフーは一切関係がない。そもそもヤフーがSMSで料金未納者に連絡することはなく、支払方法としてギフト券を買わせることもあり得ないという。
同庁財産被害対策室は取材に対し、1年前に注意喚起を出した後、2017年1月~2月にかけては相談件数が減少し効果が見られたが、春先から初夏にかけて急増し、秋になっても増えたと説明した。しかもだまされて金銭を支払った件数も昨年比で大幅増となったため、今回改めて消費者への注意を呼びかけたという。なぜ「ヤフー」の名をかたる詐欺が多いのか、はっきりした理由は分からない。インターネット上では知名度や信頼性が高いからかもしれない。
だまされないための対策として消費者庁は、ヤフーがSMSで未納料金支払いを要求することはない点を指摘し、また「本日中に連絡がなければ法的手続きに移行します」との脅しや「ギフト券を購入してその番号を連絡しろ」というのは「詐欺の手口」なので、絶対に応じず無視するようにアドバイスする。姑息な事業者は、一度請求に応じた相手から何度もだまし取ろうとしてさらに架空請求を押しつけてくるおそれがある。SMS上の電話番号にダイヤルしたり、根拠のない支払いに応じたりしては断じてならない。また「不安な場合は、消費生活センター、警察、家族でも支払う前に相談してください」とも呼びかけている。