イスラエルのイスラエル・カッツ運輸・道路安全相が2017年12月27日(現地時間、以下同じ)、エルサレム旧市街にあるユダヤ教の聖地「嘆きの壁」の近くに建設する予定の駅を「ドナルド・トランプ駅」とする考えを示したと、英BBCや共同通信など各大手メディアが報じた。
これはトランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と正式に認めるとする発表を受けてのものだ。ネットでは懸念の声が広がっている。
エルサレム首都化は「歴史的で勇気ある決断」
米CNNなどによると、カッツ運輸・道路安全相はトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と正式に認定したことを「歴史的で勇気ある決断」だとした。そのうえで、ユダヤ人居住地域の嘆きの壁近くに建設される電車の新駅について、トランプ大統領の名前をつけると述べたという。
17年12月6日にはトランプ大統領は「今こそ公式にエルサレムがイスラエルの首都であることを認める時だ」と記者会見で述べた。同時にテルアビブにあるアメリカ大使館のエルサレムへの移転も発表している。
エルサレムがイスラエルの首都だと認定する法案は1995年に可決していたものの、安全保障上の理由から執行されてこなかった。トランプ大統領はそれを覆したかたちだ。
この決定に対してはパレスチナ人がすぐさまデモを繰り返し行い、イスラム教徒などから反発も強い。また、2017年12月21日にはトルコなどが要請した国連総会の緊急会合で米国の決定を非難する決議案を採択した。
ロイターによれば、今回の駅名決定に対してもパレスチナ側の指導者から批判が噴出したといい、エルサレムを巡る軋轢が増している。