来季J1に昇格する名古屋グランパスが運営する小学生対象のサッカースクールで、新しいユニフォームを購入してわずか1週間後にそのスクールが閉鎖するとの連絡が届いた、という報告がインターネット上であがった。
名古屋を長年応援してきたというこのユーザーは、閉校するのが分かっていたのに買わせたのではないかと怒りを露わにした。しかし、クラブ側に取材すると、なかなか難しい事情があったようだ。
「突然の閉校でご迷惑をおかけします」
ツイッターに投稿があったのは2017年12月22日。添付の文書から、ユーザーは「名古屋グランパス四日市スクール」に所属する小学生の保護者とみられる。
文書は19日付でクラブ側から送られたもの。「四日市スクール閉校のお知らせ」と題され、「2018年度も含めた中長期的な視点で名古屋グランパスサッカースクール全体の編成を検討した結果、誠に勝手ながら来る2018年3月末日を持ちまして閉校することとなりました」などと書かれている。「突然の閉校でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げます」と謝罪の文言もある。
ユーザーは、投稿の1週間前に新しいユニフォームを購入していたという。購入しなければ同スクールでの活動ができなくなると言われていたとし、閉鎖が分かっていてあえて買わせたのではないかと憤慨。「詐欺」とまで述べていた。スクール公式サイトの説明では、ユニフォーム代は約9000円。ジャージなども合わせれば計約3万円かかる。
なぜ閉鎖直前の時期にユニフォームを購入しなければならなかったのか。グランパスの広報担当者は26日、J-CASTニュースの取材に、「今年度はユニフォームのサプライヤーが変更になりました」として次のように事情を説明する。
「返金対応しております」
クラブ側は16年9月、ユニフォームのメーカーが別会社に変わるとして、18年3月までに変更後の新ユニフォームを購入するようスクール生・保護者へ伝えていた。ユニフォーム変更の旨はその後も定期的にアナウンスしつつ、18年3月までは変更前後のいずれのものでも着用可としてきたという。「移行期間」というわけだ。
一方で、ユニフォーム変更と別にスクール閉鎖の動きがあった。同広報担当者は、ホームタウンの愛知県だけでなく「三重県四日市市でもスクールを開校しましたが、スクール生の集まりや収支、生産性などの状況に鑑みて、閉鎖が決まりました」と話す。
内部で決定したのは「12月はじめ頃」。ユニフォーム移行期間中だったため、閉鎖の連絡が届く前に新ユニフォームを購入するスクール生も出ることになった。
担当者は「断腸の思いで閉鎖を決断しました。大変なご迷惑をおかけしております」と話し、上記ネット上で言われていたような「疑惑」を否定。スクール生には、
「12月に入ってから新ユニフォームを購入されていれば返金対応しております。11月以前の購入でも新品未使用なら返金対応を行っています」
と説明した。スクール自体は18年3月まで続くが、年明けからの3か月も、スクール生に不利益のないよう何らかの措置をとる可能性があるという。