ジャイアントパンダ、と言えば上野動物園(東京都台東区)。2017年12月19日からはメスの香香(シャンシャン)が一般公開され、人気を博している。また、「アドベンチャーワールド」(和歌山県白浜町)でもジャイアントパンダがいることがネット上で話題になり、パンダを巡る報道は盛り上がりを見せている。
そんな中、21日に神戸市広報課の公式ツイッターアカウントがツイートを投稿。上野、和歌山だけでなく、王子動物園(兵庫県神戸市)にもジャイアントパンダがいるとPRしたのだった。
「パンダ報道の高まり」から、神戸市のトップページはジャイアントパンダの画像に
公益財団法人日本動物園水族館協会のホームページでは、16年末時点でどの動物園にどういった動物がいるのかを検索することが出来る。ジャイアントパンダについては、「上野動物園」「アドベンチャーワールド」「王子動物園」の3園が飼育しているとある。
上野動物園では、17年6月に生まれたジャイアントパンダ・シャンシャンの一般公開が行われている。上野動物園には他にも、シャンシャンの親にあたるオスのリーリー、メスのシンシンの2頭が飼育されている。
その後、和歌山県の「アドベンチャーワールド」でも、和歌山県知事のコメントなどからジャイアントパンダが飼育されていることが話題になった。さらにパンダの出産にも頻繁に成功していることがネット上などで注目された。J-CASTニュースでも「パンダ見るなら『上野より和歌山』 『行列なし』『仕切りなし』ジャンジャン産まれて5頭飼育」(12月21日)で報じている。
そのような、パンダに関する報道が相次ぐなかで神戸市広報課の公式ツイッターアカウントは12月21日、
「いわゆるパンダ(シャンシャン)報道の高まりをうけ、神戸市トップページも王子動物園にいるジャイアントパンダ・旦旦(タンタン)の動画に変更しました」
と、ツイートを投稿。続けて、パンダと神戸市の関係について紹介し始めた。
2008年には出産成功も4日目に命落とす
もとより、神戸市と中国の天津市は1973年に友好都市提携を結んでいた。81年には天津動物園から王子動物園へとジャイアントパンダ2頭が来園するなど関係が深く、ジャイアントパンダの日中共同研究を行う話が進んできたという。
しかし、95年に阪神・淡路大震災が発生。「震災復興に取り組んでいる神戸市民、特に子どもたちのために、神戸でのパンダの共同研究を実現したい」という神戸市の思いを鑑み、中国が王子動物園へパンダを寄贈したという経緯があるという。
現在、王子動物園ではメスのタンタンという中国生まれのジャイアントパンダが住んでいる。タンタンは2000年から、オスの初代・興興(コウコウ)とともに王子動物園で飼育展示されはじめた。その後、初代・コウコウは02年に中国へ返還され、2代目・興興(コウコウ)が来園した。
タンタンは03年から人工授精による繁殖に取り組んだものの、07年に死産。08年には出産に成功するも4日目に赤ちゃんが命を落とした。また10年9月には2代目・コウコウが14歳で死んだため、現在は新たなオスの受け入れに向けて準備を進めている段階だという。
ネット上では、上野動物園とアドベンチャーワールドとの報道量の差に、
「引き合いにすら出されない、神戸の王子動物園のパンダのこと、時々は思い出してあげてください」
「神戸市はもっと声を大にしてアピールしたほうがいい」
「王子動物園はガラス越しではなくオープンスペースでタンタンが練り歩いてくれるんで超オススメ」
と同情的な声などが上がっている。