2008年には出産成功も4日目に命落とす
もとより、神戸市と中国の天津市は1973年に友好都市提携を結んでいた。81年には天津動物園から王子動物園へとジャイアントパンダ2頭が来園するなど関係が深く、ジャイアントパンダの日中共同研究を行う話が進んできたという。
しかし、95年に阪神・淡路大震災が発生。「震災復興に取り組んでいる神戸市民、特に子どもたちのために、神戸でのパンダの共同研究を実現したい」という神戸市の思いを鑑み、中国が王子動物園へパンダを寄贈したという経緯があるという。
現在、王子動物園ではメスのタンタンという中国生まれのジャイアントパンダが住んでいる。タンタンは2000年から、オスの初代・興興(コウコウ)とともに王子動物園で飼育展示されはじめた。その後、初代・コウコウは02年に中国へ返還され、2代目・興興(コウコウ)が来園した。
タンタンは03年から人工授精による繁殖に取り組んだものの、07年に死産。08年には出産に成功するも4日目に赤ちゃんが命を落とした。また10年9月には2代目・コウコウが14歳で死んだため、現在は新たなオスの受け入れに向けて準備を進めている段階だという。
ネット上では、上野動物園とアドベンチャーワールドとの報道量の差に、
「引き合いにすら出されない、神戸の王子動物園のパンダのこと、時々は思い出してあげてください」
「神戸市はもっと声を大にしてアピールしたほうがいい」
「王子動物園はガラス越しではなくオープンスペースでタンタンが練り歩いてくれるんで超オススメ」
と同情的な声などが上がっている。