南米ペルーの大統領府は2017年12月24日、クチンスキ大統領が、在任中の人権侵害事件で服役中のアルベルト・フジモリ元大統領(79)に人道的恩赦を与えると発表した。フジモリ氏は亡命先の日本を離れた05年12月以来、12年ぶりに身柄の拘束を解かれ釈放される見通し。複数のメディアが同日、報じた。
フジモリ氏は1990年に日系人として初めてペルーの大統領に就任し、日本大使公邸人質事件の解決などで手腕を発揮したが、在任中の人権侵害や汚職の罪で禁錮25年の刑が確定。首都リマの警察施設で収監されていた。報道によると、2017年12月23日から体調不良を訴えて市内の病院に入院している。
長女のケイコ・フジモリ氏が16年の大統領選挙でクチンスキ大統領と接戦を繰り広げるなど、フジモリ氏の一族は国民の根強い支持がある。フジモリ氏の釈放が今後の国内政治にどんな影響をもたらすか、注目される。
ケイコ氏はツイッターで「今日は私の家族とフジモリにとって素晴らしい一日だ。 ついに父は自由になった」と投稿。フジモリ氏の次男でペルー議会議員のケンジ・フジモリ氏も、病室の父と撮影した動画をツイッターで公開し、「メリークリスマス」と喜んだ。