クリスマスイブの2017年12月24日、中山競馬場11レースのグランプリ「第62回有馬記念」(GI、芝2500メートル)で、武豊騎手が騎乗した圧倒的1番人気のキタサンブラック(牡5=清水久厩舎、父ブラックタイド、母シュガーハート)が優勝した。
勝ったキタサンブラックは、このレースで引退。ラストランで有終の美を飾った。オーナーは、歌手の北島三郎さん。競馬場を訪れた10万人超のファンが歓喜した。
「キタサン×武豊」の最強コンビ
武豊騎手が騎乗するキタサンブラックは、好スタートから先手を奪うとペースを落としてレースを支配。直線半ばでは堂々と抜け出し、最後は外から追い込んできた馬を尻目に逃げ切った。勝ちタイムは2分33秒6(良)。
1馬身半差の2着は8番人気で、このレースで引退するクイーンズリング(C・ルメール騎手)、さらにハナ差の3着にはジャパンカップ優勝馬のシュヴァルグラン(3番人気、H・ボウマン騎手)だった。
武騎手はレース後、「最高にうれしい。このような名馬と巡り会えて光栄です。スタートした後は、迷いなく先手を取りにいきました。最後はがんばってくれ、という思いで追いました。レース後はありがとう、ご苦労様と声をかけました」と語った。
キタサンブラックと武騎手を、NHKのレース解説の鈴木康弘元調教師は「ゲートに入ったときに、(キタサンブラックが)少し嫌がったときに、武騎手がやさしく撫でてあげてなだめると、好スタート。あとは自分のペース。ゴール直前、馬も疲れてくるとフォームを崩すんですが、この馬はそれもないんですね」と評し、その強さに舌を巻いた。
キタサンブラックと武豊騎手、まさに最強のコンビだったようだ。