中国「脱石炭」政策の迷走 「厳寒にガス欠」で起きた怨嗟の声

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中央の命令をひたすら加速度的に執行していく地方

   最近の中国の世論で特徴的なのは、中国政府の慢性的な「迷走」に対する国民の反感である。

   中央が何かをやろうと決定すれば、条件不足、実行可能性不足の恐れがあっても、各部門、各地方はひたすら執行しようと頑張るだけで、政策決定者に反対意見を出そうとはしない。最終的には執行できないことに気づき、はなはだしい場合には社会的な混乱を引き起こし、それから慌てて「急ブレーキ」をかける。

   政府内の不都合は副次的だが、苦しい目にあうのは民衆と企業だ。北京の出稼ぎ労働者ら「ローエンド人口」強制排除事件、児童虐待事件などもその典型である。

   今回の天然ガス不足は、中国が大気汚染制御と石炭依存から脱出するプロセスが、かくも多くの苦痛を国民に与え、その代償もべらぼうに高いということを明らかにしている。化石燃料は中国経済を世界第2の座に押し上げたが、中国が石炭依存から抜け出す行動は、おそらく全中国ひいては、世界的に影響を与えることになるだろう。

   政府は市民の石炭使用に目をつぶるようになったが、もうストーブを取り壊されているケースも多く、かなりの人は厳寒の中で震え、3カ月後に来る春をひたすら待っているだけである。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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