魅力的な料金プランやサービスを提供できるか
だが、キャリア事業3社の背中はあまりにも遠い。2~3位のKDDI、ソフトバンクは4000万件弱~5000万件弱の契約者を抱え、NTTドコモに至っては7000万件を超える。ソフトバンクがここまで成長できたのも、2006年に英ボーダフォンの日本法人を買収できたからで、一から作り上げたわけではなかった。楽天モバイルがあるとはいえ、140万人という契約者数は、先行3社に比べればゼロからの出発同然だ。
株式市場は楽天の挑戦は負担が大き過ぎるとみており、発表日から売り注文が優勢。市場全体が高値をうかがう中、発表翌日の15日には一時、1011円と今年の最安値をつけ、その後も1010~1040円台で推移。本業への不安もあって夏以降、株価は低迷していたとはいえ、6月に付けた年初来高値1408円からは約25%も落ちている。競争が激化して利益が減るとの懸念から、他の通信株も軒並み売られる「おまけ」付きだ。
他社から顧客を奪えるだけの、魅力的な料金プランやサービスを提供できるか。また、機種は日本では圧倒的な人気を誇る米アップルのiPhoneを扱うのか。設備投資にいくら振り向けるのか。三木谷浩史・会長兼社長の経営手腕が問われそうだ。