ソフトバンクと三菱地所は2017年12月22日、自動運転バスの実証実験を東京・丸の内で行った。両社によると、東京23区内の公道で自動運転車が走るのは初めて。
都心のオフィス街で自動運転が披露されるのは珍しいだけに、お昼時の会社員が興味深そうに足を止めていた。
レーザースキャナーで障害物を検知して事前に設定したルートを走る
実証実験に使用されたのは、ソフトバンクグループのSBドライブ社が所有する、仏ナビヤ社製の「ナビヤ・アルマ」。運転席や前後の区別がなく、全長4.75メートル、全幅2.11メートルで立ち席を含めると15人が乗れる。
GPSで自分の位置を測定し、レーザースキャナーで障害物を検知して事前に設定されたルートを自律走行する仕組み。丸の内のようなビル街ではGPSの電波が届きにくいため、今回の実証実験ではGPSを使わずに主にレーザースキャナーを使って運転した。係員がタッチパネルを操作するとドアが閉まり、鐘が鳴って発車。仲通りの中の一部をバリケードで囲んで作った全長40メートルのコースを、最大時速5キロで2分ほどかけてゆっくりと往復した。
DeNAは「道の駅」拠点に全長2キロのコースで
ディー・エヌ・エー(DeNA)も、仏イージーマイル社が開発した自動運転バス「EZ10」を利用した実証実験を進めている。EZ10は、ソフトバンクの車両よりも一回り小さい全長約4メートル、全幅約2メートルで、着席6人、立ち席6人の計12人が乗れる。17年9月には、栃木県栃木市の道の駅を拠点に、約2キロの区間にバス停を3つ設置して、集落で取れた野菜を道の駅に運んだり、役場の書類を近所の集落に運んだりした。人口過疎地域でバス路線が減少したり高齢者が免許を返納したりする中、無人運転バスの活用で「交通弱者」増加に歯止めをかけたい考え。