匿名質問サービスが流行している昨今、ひときわ人気を博していた「Peing - 質問箱(ピング)」。日本人の開発者が1日足らずで作り、2017年11月22日にリリース。既に月間2億PVの巨大サービスへ急成長している。
そんな中、買い取り価格比較サイト「ヒカカク!」などを提供するジラフ(東京都中野区)が2017年12月21日、Peingの買収を発表した。
「既存の開発体制の限界を感じていた」
「Twitterログインなので5秒で始められます」。Peingのツイッターアカウントは、匿名質問サービス流行の火付け役となった「Sarahah(サラハ)」との違いをそう説明していた。
Peingは、ツイッターのユーザーが匿名の質問を受け付けるサービスだ。サービスの利用者はツイッターと連携する形でPeingに登録すれば、自身の「質問箱」を作れる。他のユーザーから受け付けた質問への回答文をツイッターに投稿できるようになる。
開発したのは、26歳の個人開発者・せせり氏だ。自身のツイッターで11月21日15時ごろ、「saraha?登録してみた 昨日大体わかった これなら急げば6時間くらいで作れそう」と投稿。わずか1日後の翌22日、Peingを公開した。
公開まもなくツイッターで次々と拡散され、26日に1日10万PV(ページビュー)を達成した。翌27日に1日40万PVを記録し、ツイッタートレンドの1位を獲得。公開1か月の12月21日現在、月間2億PVの規模に成長している。
ジラフはそんな中、Peingを買収したことを明らかにした。同社は既に事業譲受を完了しており、ソーシャルゲーム「ポケラボ」の創業者でジラフ執行役員の佐々木俊介氏が事業責任者に就任、サービス拡大に尽力する。せせり氏もアドバイザーとして事業に参画する。
ジラフの発表によると、せせり氏は「既存の開発体制の限界を感じており、急成長を遂げているジラフに本サービスを移管し開発を進めていくことが本サービスの成長にとって最適である」と判断したという。
毎日ビクビクしてたので本当に肩の荷が下りた気分
ジラフがPeingを買収したことで、開発者のせせり氏は胸をなでおろしている。発表当日の12月21日、ツイッターで
「売却して思ったことですがまず一番最初に『助かった、、、』です笑 質問は一日30万件ペースで増えるし、リアルタイム(1分間)に多いときは3万人超えるし、もうこれ絶対すぐにどうしようもなくなってサーバー負荷で大変なことになるぞと毎日ビクビクしてたので本当に肩の荷が下りた気分です」
と投稿。売却先にジラフを選んだ理由については、同社の麻生輝明社長の
「スピード感がすごく(買収まで打診から60時間)、人をすぐに割いて頂けて『ああ、ここなら任せても大丈夫だ、、、もうゴールできる、、、』と安心して託せました」
と説明した。
今や芸能人や政治家などの著名人も利用するようになり、
「『個人』が運営していると言う信頼のなさが足枷になっているな、と感じていました」
という。