「紅組が有利になってしまわないか」
労働社会学が専門の常見氏。ブログで2つ目にあげたのは「紅白とは究極の休日出勤である。引退を控えた者に年末くらい休息を与えても良いのではないか」という考えだった。
そして3つ目にあげた理由は「紅白という闘いの公平性が損なわれてしまう」というもの。安室さんは紅組・白組いずれにも属しない「特別出演」だが、存在感の大きさなどに鑑み「視聴者は紅組が立てたヒットマン、刺客として見てしまうのではないか」と指摘。さらに、そもそも紅白歌合戦は「紅組と白組の闘争なのである」とした上で
「この天下分け目の戦いにおいて、特別枠とはいえ、安室奈美恵を投入することは紅組が有利になってしまわないか。この闘いにかける白組の士気は下がってしまうのではないか」
と推測した。
こうした点から常見氏は「今からでも遅くない。安室奈美恵は出演を再考するべきだ」「怒りの火柱を断固として燃え上がらせるのだ。無慈悲な鉄槌を振り下ろすのだ」と改めて訴えた。
一方で、それでももし安室さんが出演するならば、「白組勢の特別枠」を設けるべきだとも主張。具体的には
「小沢健二とCorneliusによるフリッパーズ・ギター再結成や、小沢のソロでの出演、さらにはキタサンブラックの馬主で知られる北島三郎の電撃復帰などに期待したい」
としている。
名前があがった小沢健二さんは17年2月、19年ぶりのCDシングル「流動体について」を発売して活動を本格再開。「Cornelius(コーネリアス)」の小山田圭吾さんと組んだ「フリッパーズ・ギター」(1991年解散)で一世風靡し、ソロ転向後も数々の名曲を送り出してきた。キタサンブラックは17年、競馬界10年ぶりの天皇賞春秋連覇を達成した上、年末の有馬記念をもって引退する。事実上の馬主である演歌歌手・北島三郎さんの競馬場での「熱唱」が大きな話題を集めていた。なお北島さんは2013年を最後に「紅白引退」を表明している。
常見氏は取材に対して「紅白は『歌の交流会』でなく『歌合戦』であり、最後には投票も行って勝ち負けを決める戦いなんです。だからこそ、白組側が不公平にならないような配慮をNHKに求めたいですね」と話していた。