座間事件、歌舞伎町火災などでも議論に
犠牲者の実名掲載が議論を呼んだことは、これが初めてではない。
似たケースとしては、2001年に新宿・歌舞伎町で44人が亡くなったビル火災が挙げられる。この際には、火災現場となった店舗を「飲食店」とするか「キャバクラ」と表現するか、そして犠牲者の実名を掲載するか否かで、新聞各紙の判断が分かれ、朝日など実名・顔写真をともに報道したメディアもあれば、読売新聞など途中から匿名に切り替えたものもあり、賛否両論を呼んだ。
また2017年10月、神奈川県座間市で9人の遺体が発見された事件をめぐっては、遺族などから実名報道を控えるよう報道機関に要望があったにもかかわらず、ほとんどの新聞・テレビなどが未成年を含む犠牲者の名前・顔写真を掲載、強い批判が寄せられたことは記憶に新しい。
今回の火災をめぐっても、ツイッターでは「大宮の火事実名でたの?信じられない」「こんなの発表していいんか?プライバシーもなにもあったもんじゃないな。配慮というものがないのか」「指名手配を除く犯罪者を含め、本人か遺族が希望しない限り実名が報道されない自由というのはいつになったら成立するのだろうか」など、実名を報じたメディアに対し、総じて厳しい声が多い。