商品の消費期限などをペンで書き換えていたとして、さいたま市は2017年12月19日、同市岩槻区内にある個人商店に対し、食品表示法に基づき不適切な表示をやめるように命令した。
なぜ、商品の期限表示を改ざんしようと思ったのか。70歳超だという女性店主は20日のJ-CASTニュースの取材に、「客に売るつもりは一切なかった。仕入れがままならないほど経営が厳しく、少しでも棚の見映えを良くしたかった」と話す。
市「健康被害は報告されていません」
市の行政処分を受けた店舗は、高齢の女性店主が1人で切り盛りしている個人商店。食品や飲料のほか、雑貨や酒・たばこなど、コンビニのように幅広い種類の商品を取り扱っている。
J-CASTニュースの19日の取材に応じたさいたま市食品・医薬品安全課の担当者によれば、店主は数字の「3」を「8」にしたり、「5」を「6」に書き換えたりして、食品の賞味期限や消費期限を改ざんしていた。
店主が期限表示を書き換えていたのは、乳製品、パン、菓子、漬物、缶詰、レトルト食品など。改ざんは短いものでは数日単位だったが、なかには年単位で期限を書き換えていた商品もあった。
表示の書き換えについて担当者は、「注意して見れば分かるような出来だった」とも話す。こうした商品を購入した客がいたかどうかについては「確認できていない」としたが、
「現時点では健康被害は報告されていません」
としている。なお、店主は市の調査に対して、改ざんの動機について「もったいないと思った」などと話したという。
市は5月にも期限表示の改ざんをやめるよう店主に指導していた。しかし、12月になっても商品の改ざんが続いていたことが判明したため、今回の処分に至ったという。