異臭、異音、モヤ確認でも「スルー」 「のぞみ」重大インシデント

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   東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」の車両の台車に亀裂が入っていたとして、重大な事故につながる恐れがある「重大インシデント」に認定されたトラブルで、車両を保有するJR西日本は2017年12月19日、発生原因の調査結果を公表した。

   発表によると、12月11日の13時33分博多発東京行きの「のぞみ34号」で、発車後まもなくの小倉駅で「焦げたようなにおいがする」との報告が乗務員から上がった。さらに、乗客からの「車内にモヤがかかっている」との知らせや、車両保守担当者が「うなり音」を確認したものの、東京指令所の指令員が異常なしと判断。運転は継続された。

異音確認から3時間後に運転中止

   その後、走行中に再び異臭と異音が確認され、17時3分ごろに名古屋駅で床下点検を実施。歯車箱付近に油漏れがあったことから走行不可と判断して運転を取りやめた。最初の異臭確認から3時間ほど経過していた。

   JR西日本は「運行中に異常を感じたにもかかわらず走行を継続させたことに、大きな課題があったものと重く受け止めています」とコメント。再発防止策として、異常時には迅速な対応を徹底するよう社員教育をしたり、現場の状況が指令員に正確に伝わるコミュニケーションツールの活用を検討したりするなどとしている。事故原因の調査も引き続き行い、改めて公表するとしている。

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