元横綱・日馬富士による貴ノ岩への暴行事件で、現場にいながら止められなかった横綱・白鵬への処分が取り沙汰されている。
歴代最多の幕内最高優勝40回という記録を持つ白鵬。東京相撲記者クラブ会友の山崎正氏(73)は2017年12月18日放送の「ひるおび!」(TBS系)で、「その実績みたいなものがかなり買われると思います」との見解を示した。司会の恵俊彰さん(52)は「実績があるからあまり怒られないということになるんですか?」と疑問を投げかけた。
「協会としてもそう重い処罰は与えないと思います」
日本相撲協会は20日の臨時理事会で、暴行事件についての危機管理委員会の調査報告を受けた上で処分を決めるとみられている。
協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)も同日に開かれる。白鵬、鶴竜の両横綱について、暴行現場に同席しながら日馬富士を止められなかった責任があるとして、処分案を理事会に提言する見通しだ。
「ひるおび!」では、まずスポーツ評論家・玉木正之氏が「白鵬は判定に文句を言いましたよね。あれは出場停止に値する罰を与えないといけないと思いましたね」と述べた。
暴行事件の混乱に見舞われながら開かれた九州場所11日目、白鵬は敗れた後に土俵上で前代未聞の「物言い」をしたことで非難を集めていた。
山崎正氏は「私もそういう思いです」と玉木氏に同調し、「やはり何らかのペナルティを与えないといけないと思います」と述べたが、続けて次の見解を示した。
「ただ白鵬と鶴竜、ちょっと違ってくると思います。白鵬の場合、今までの功績みたいなものがあるので、協会としてもそう重い処罰は与えないと思います。鶴竜の場合もそんなに重くない処罰になると思います」
「実績があるからあまり怒られないということになるんですか?」
危機管理委員会の中間報告によると、日馬富士が平幕・貴ノ岩を暴行したのは、白鵬が貴ノ岩に説教している最中だった。スマートフォンを操作しながら白鵬の話を聞いていた貴ノ岩に日馬富士が腹を立て、殴った。
こうした関係を踏まえてか、玉木氏は番組で「山崎さんに聞きたいんですけど、白鵬のほうが責任として重かったわけですよね。というと処罰も重くならないと」と質問した。山崎氏は「そういうことでしょうね」としながら、
「やはり白鵬の場合、40回優勝という実績みたいなものがかなり『買われる』と思いますので、その辺を協会がどう勘案するかですね」
と述べていた。
この見解に司会の恵俊彰さんは
「実績があるからあまり怒られないということになるんですか?」
と疑問に感じたようだった。玉木氏が「逆に実績ある大横綱だから、その責任は重くなるということも...」とこぼすと、恵さんは「それが妥当な気もします」と応じていた。
インターネット掲示板では、「実績なんて関係あるかい!」「実績があれば犯罪しても良いって言ってるのと同じだぞ」「功績大きければ何をやっても赦されるw なんだそりゃ」との声が複数見られた。
20日の臨時理事会では、貴ノ岩の師匠で巡業部長の貴乃花親方にも、暴行事件を協会に報告する義務を怠ったとして処分が下される可能性がある。ネット上では、「功績言いだしたら貴乃花も若貴時代築いたし」といった声も漏れていた。