知り合い少ない町へ引っ越すも...精神状態悪化
首の状態が改善しないまま退院し、幼馴染の増田さんとは何度か会ったが、付き合いが減った友人もいた。
文明さんは陽さんのためと思い、知り合いの少ない新たな町に引っ越した。
文明さん「変な人がいると言われない場所がいいと思った。そういう烙印を押されると一生つきまとう。それが怖かった」
しかしその決断が陽さんのわずかな友人関係を途絶えさせてしまう。陽さんは大学時代の写真を眺めては「僕の周りから人がいなくなっていく」とこぼしたという。
文明さん「本来ならそういう人(友人)に連絡すべきだと思うんですけどね。やっぱり息子のことで頭がいっぱいだったのかな。友達と会話でもさせていれば少しは改善したかもしれない」
陽さんの精神状態は日に日に悪化した。ふいに外出して行方不明になり、深夜2時頃東京の上野警察署で保護された日もあった。入浴を2~3か月しなくなり、家中が臭くなった。コーヒーカップや皿を投げ、そこら中を汚し、素足で外に飛び出して失禁した。
2011年9月、家で暴れた陽さんは精神科病院に入院。興奮状態で、入院と同時に全身を拘束された。
拘束は2か月続き、陽さんは激しく抵抗した。拘束が解除されると、他の患者から隔離されて過ごした。