立憲民主党の枝野幸男代表が2017年12月18日に東京・有楽町の日本外国特派員協会で行った会見で、体制が整い次第、記者会見を定例化する意向を示した。立憲民主党は現時点で、主要野党の中で唯一、幹部による定例会見を開いていない。
この点を指摘した記者に、枝野氏は「是非同じ質問を自民党総裁にしてください」と「反撃」。返す刀で、安倍晋三首相の記者会見が少ないことを問題視した。
民主党政権では1日2回、下野してからも週1回の会見こなしていた
枝野氏は民主党政権で官房長官を務めた際は平日は1日2回、突発事態が起きた時はそれ以上の回数の会見をこなしていた。民主党が下野してからも、民進党の幹事長として週1回の定例会見に臨んでいた。だが、立憲民主党を立ち上げてからは一変していた。
立憲民主党は10月2日に結党会見を開き、翌3日に発足。そのまま衆院選(10月22日投開票)に突入した。公認候補決定や大勢判明後の節目には記者会見を開いたもの、定例化はされていなかった。11月1日から12月9日まで行われた特別国会の会期中も、枝野氏が記者会見を開くことはなかった。
枝野氏は、18年1月に開会する通常国会では記者会見を定例化するように求める記者の声に、
「党が立ち上がったばかりで、なかなか定例で会見をする余裕がないものですから...」
と釈明。その上で
、「ある程度その体制が整ったら、定例の会見をしていきたいと思うが、是非同じ質問を自民党総裁にしてください」
「私は自民党総裁、野党第1党の会見の頻度は同じぐらいあるべきだと思っています」
と続けた。
「ぶら下がり」は2か月で10回、「会見」は3回
安倍首相は、北朝鮮がミサイルを発射するなどの突発的事態には「ぶら下がり取材」という形で短くコメントを出す。この回数は11~12月の2か月だけで10回に及ぶが、記者会見場で開く記者会見は、衆院選後の首相(首班)指名選挙を受けて11月1日に行われた会見、11月6日の米トランプ大統領との共同会見、11月14日に訪問先のフィリピンで行った会見の3回のみ。自民党総裁としての会見は、国政選挙の大勢判明後の党本部で開かれる程度だ。
枝野氏としては、立憲民主党の会見が定例化することを前提に、安倍首相も週に1回は会見すべきとの考えを示した形だ。
「希望」との統一会派は「野合そのもの」
希望の党を含めた野党連携については、枝野氏は次のように述べ、「野合」という言葉を使いながら改めて強く否定した。
「希望の党の中には、我々にとって大きなアイデンティティである立憲主義や、それに関連する安保法制に関して違った意見の方が少なからずいらっしゃるということは間違いないので、そこと統一会派を組んだり、ひとつの党になったりということをやったら、それこそ野合そのものだ、となると思う」