直径0.18ミリの注射針
注射の痛みの軽減では、極めて細い注射針の開発も進んでいる。
医療機器メーカーのテルモは、東京都内で金属加工を手掛ける岡野工業とタッグを組み、2005年に最初の製品化に成功した。当時、町工場の職人による世界レベルの高い技術と、「蚊の針のように刺されても痛くない注射針」として話題になった。
テルモはその後も製品の改良を続け、2012年に開発された現行モデルの「ナノパス34」は直径0.18ミリと、従来品より直径が10%細くなっている。針としての強度も保ちつつ、「1平方センチ当たり100~200個、皮膚表面に高密度で分布している痛点」(テルモのウェブサイトより)を避けるための極細の針だ。