香料用の人工バニリンは危険な物質でもある
バニリンはバニラ香の元ということもあり、当然バニラビーンズなどにも含まれているが、今回の研究で使用されたものは天然バニリンではなく、人工的に合成されたバニリンだ。バニラビーンズをマウスに大量に食べさせたわけではない。そもそも天然バニリンは生産量が限られており、入手するのは困難だ。
仮に人工バニリンを入手したとしても、それを服用することも推奨できない。バニリン自体は一定の有害性を持っているのだ。今回の研究でも、実験用に無害化されたものを使用しており、クッキーやケーキの香料用のものを適当にマウスに与えているわけではない。
化学物質が健康に与える影響を評価した国際規格「国際化学物質安全性カード」でも、「飲むと有害」「水生生物に悪影響」とされ、皮膚に付着した場合は石鹸で洗浄、目に入った場合は速やかに洗い流すよう指示されている。
そもそも研究結果はマウスで検証されたもので、人体でも同様の効果があるかはこれからの研究次第だ。