唾液検査以外でも診断は可能とする意見も
球技などでボールが頭部に直撃して脳震盪を起こす例もあり、子どもが脳震盪を起こした場合に素早く症状を検査できる方法が確立できれば、有用であることは確かだ。
ただし、研究には疑問の声なども寄せられている。論文をレビューしたマサチューセッツ州ボストン小児病院のウィリアム・ミーハン医師は研究のサンプルサイズ(被験者数)が少ない点を指摘。
また、脳震盪で重症度の高い症状を持つ患者は非ステロイド性抗炎症薬を使用している場合が多いとする調査報告があることから、「抗炎症薬が潜在的な交絡因子(症状に影響を与える要因)となっている可能性があり、唾液検査だけで完璧な結論が導けると断定するのは早計ではないか」とし、
「発見自体は有望であり、スポーツ関連の脳震盪の診断、回復、予後評価のために有用な方法となり得るが、現状でもMRIや脳波の測定によって脳の機能的健康状態を把握する方法はいくつか存在しており、唾液検査以外の手法は無意味であるというわけではない」
とコメントしていた。