「群れになったサイの襲来」
11月27日に著名なメディア関係者である秦朔が、個人の微信アカウントで4000文字余りの長文「最も大きな灰色のサイはどこから来るのか?」を発表した。そこには大要で次のようなことが書いてあった。
「『灰色のサイ』という言葉がある。灰色のサイはアフリカに生息し、体が並外れて大きく、反応も遅く、遠くにいる時には全く脅威を感じない。だが、それが本当に走り出すと、その爆発力を前にした獲物は突然過ぎてまったく防ぐいとまがなく、吹き飛ばされて転がってしまう。『灰色のサイ』とは、最大の問題は問題自身にあるのではなく、問題の存在を無視することにあることを物語っている。多くの突発的な事件は、みなその原因を遡ることができるもので、高い確率で必ず発生するのに人々はそれが遠くにあると思って対応を先延ばしにし、(それから逃れられるという)幸運を期待する。しかし最後には、1頭からいつしか群れになったサイの襲来をなすすべなく見守るしかなくなるのだ」
「中国の最も大きな灰色のサイとは何か。不動産バブルと言う人もいれば、資本流出と言う人もおり、地方政府の債務と言う人もいれば、銀行の不良債権と言う人もいる。だが、先週首都である北京で発生した二つの事件およびインターネットで次々に上がる声を見ると、中国の最も大きな灰色のサイは経済面にも金融面にも存在せず、社会面に存在し、基本的な生活の権利に及び、人と人の関わり合いに及ぶ場所にいる。灰色のサイとはつまり、11月18日に発生した火災とそれに続く潜在的な危険を取り除く大点検、大掃除、大整理の進展、及び11月22日午後から刻一刻と変化・進展しつづけた幼稚園事件だ」
この文章も、その日のうちに削除された。
(在北京ジャーナリスト 陳言)