【ジョブチューン】(TBS系)2017年12月9日放送
「病気を予防する最強の食べ物」
インフルエンザをはじめ、長引くせきや冷えの悪化など、寒い冬には体調を崩しがちだ。
番組では、そんな3つの症状を予防・改善する「最強の食べ物」を名医が紹介した。
2週間以上続くせきは危険かも
池袋大谷クリニックの大谷義夫院長が勧める、せきをおさえる飲み物は「コーヒー」だ。
コーヒーに含まれるカフェインは、気管支を広げて炎症を抑え、呼吸を楽にする作用がある。インドでは古くからせき止めの薬として使われていたという。イタリアの研究では、コーヒーを全く飲まない人よりも、1日3杯以上飲む人の方が、ぜんそくの発症リスクが28%低いとの結果が出た。
子供などコーヒーが飲めない人には、コーヒーの約半分のカフェインが含まれる緑茶や紅茶がオススメだ。
なお、2週間以上せきが出続けていたら要注意だ。せきが症状として出る病気で最も多いのは風邪だが、ほとんどは自然治癒力で2週間あれば完治する。2週間以上続く場合は風邪以外の病気の可能性が高くなるので、病院を受診しよう。
レンコンは皮も節も食べるべし
12月から2月にかけて猛威をふるい、毎年1000万人以上がかかるインフルエンザを予防するには、免疫力を高めるのが重要だ。
Y'sサイエンスクリニック広尾の日比野佐和子氏が勧める食材は「レンコン」。体内の細菌や異物を取り込む免疫細胞をパワーアップさせる「LPS(リポポリサッカライド)」という成分が豊富に含まれている。インフルエンザはもちろん、認知症やガン予防、便秘改善効果も期待できる。
1日に必要なLPSの目安量は500マイクログラムで、レンコン100グラムでまかなえる。特に皮と節に多く含まれているので、皮はむかず、節ごと調理するとよい。節をカットしたものが並んでいる店頭が多いが、店員に「節をカットする前のものが欲しい」と伝えると買える場合がある。
レンコンにはネバネバ成分も含まれ、ウイルスが粘膜から侵入するのを防いでくれる。
管理栄養士の渥美真由美氏が、レンコンを使ったレシピを紹介した。
一品目は「ゴロゴロレンコン炊き込みご飯」。2~3人分の材料は以下の通り。
金芽米 2合
レンコン 200グラム
鶏ひき肉 100グラム
ショウガすりおろし 小さじ1
酒 大さじ1
塩 小さじ1
しょう油 大さじ1
切りコンブ 4グラム
皮をよく洗ったレンコンを節ごとサイコロ状にカットし、アク抜きのため水にさらす。炊飯器に金芽米と炊飯用の水、塩、しょう油、コンブを入れ、ショウガと酒で味付けした鶏ひき肉とレンコンを入れて一緒に炊くだけで完成だ。金芽米には白米の約6倍のLPSが含まれていて、さらなる免疫力アップが期待できる。
二品目は「レンコンのすりながし汁」。2人分の材料は以下の通り。
レンコン 200グラム
だし汁 500ミリリットル
みそ 大さじ1
ノリの佃煮 大さじ2
青ネギ小口切り 大さじ2
皮をよく洗いスライスしたレンコンを、だし汁で色が透き通るくらいまで煮たら、みそと一緒にミキサーにかけペースト状にする。もう一度温め、ノリの佃煮を加えたら完成だ。器に盛ったら青ネギをトッピングして。海産物にもLPSが含まれるので、ノリの佃煮を合わせることでさらなる健康レシピとなる。
LPSは180度以上で調理すると成分が壊れてしまうので、免疫力アップのためにレンコンを摂(と)りたいなら、揚げ物などの高音調理は避けよう。
天ぷらやみそ汁で冷え改善できる食材
日本人女性の約7割が悩むといわれる冷え性は、放置すると血流が悪くなって免疫力が低下し、動脈硬化や脳梗塞、ガンに発展するおそれもある。
東洋医学研究所付属クリニックの川嶋朗氏の研究では、体温が1度下がると免疫力が約30%ダウンするとの結果が出た。
厚着などで体を外から温めるのもよいが、体の内側から温めるのがより大切だ。
血流をよくする成分は、血管を広げる「ナイアシン」、血液をサラサラにする「βグルカン」で、この二つが豊富に含まれるのが「マイタケ」だ。1日100グラムを目安に摂るとよい。
管理栄養士の望月理恵子氏オススメのレシピが、「マイタケとミョウガのかき揚げ」だ。1人分の材料は以下の通り。
マイタケ 100グラム
ミョウガ 20グラム
タマネギ 30グラム
水・てんぷら粉・揚げ油 適量
マイタケは裂き、ミョウガとタマネギは薄切りにする。水で溶いたてんぷら粉で合わせ、180度の油で2~3分揚げれば出来上がり。βグルカンは油で調理すると吸収率が高まる。また、ミョウガの辛味成分「ミョウガジアール」も血流をよくする働きがある。
マイタケをみそ汁の具に使うのも冷え性改善に効果的だ。みそなどの発酵食品は、酵素の力で体温を上げる効果が期待できる。