企画の中止を求めるウェブ署名に2万人超が賛同するなど、大きな物議を醸している「めざせ!世界一のクリスマスツリーPROJECT」。インターネット上では、この企画に関わるコピーライターの糸井重里氏(69)にも厳しい批判が寄せられている。
糸井氏が主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で、ツリーの「植樹式」のテキスト中継を行ったり、企画の総合プロデューサー・西畠清順氏(37)との対談イベントを実施したりと、様々な方面でプロジェクトに協力しているためだ。
バングル「継ぐ実」は販売中止に
今回の企画は、推定樹齢150年のアスナロの木を富山県氷見市から運び、クリスマスツリーとして飾り付けた上で神戸市内の会場に展示するというもの。公式サイト上では、今回の企画は阪神・淡路大震災の犠牲者への鎮魂の意味も持つ、などと訴えていた。
展示期間は2017年12月2日から26日までで、終了後にはツリーを伐採する予定。ツリーにはオーナメントが取り付けられ、主催者側はその数でギネス世界記録を目指すとしている。
しかし、ネット上ではこの企画について「まさに人間のエゴそのもの」「鎮魂を飾り付けて金儲けを偽装するだけ」との批判が噴出。また、西畠氏がウェブ上に発表した文章の中で、運び出したアスナロの木を「落ちこぼれ」と表現していたことも物議を醸した。
当初、通信販売会社のフェリシモ(神戸市)は、伐採したツリーの一部を加工したバングル「継ぐ実」の販売を告知していたが、ネット上の批判の高まりを受けて中止に。また、主催者側も11月30日の発表で、伐採したツリーの使途について、一部は神社の鳥居として奉納する予定だと新たに明かしていた。
ツリーの展示は12月2日から予定通り実施されているが、署名サイト「change.org」上では、「世界一のクリスマスツリーPROJECTを中止して下さい」と題した反対運動が過熱。11月24日に始まった署名活動には、12月15日夕までに2万人以上が賛同している。
このように、大きな物議を醸しているプロジェクトをめぐって、ネットユーザーから「幻滅した」との厳しい批判が相次ぐことになったのが、今回の企画および西畠氏との関わりがある糸井氏だった。