ドローンが耳を澄まし被災者を探し出す 東工大などが「聖徳太子の耳」を開発

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   災害時に、雑音の中から耳を澄まして助けを呼ぶ人の声を聞き分けるドローンを、東京工業大や熊本大などの研究チームが開発、2017年12月7日に発表した。

   夜間の災害現場で、がれきの下敷きになった人を素早く探し出す時などに役立つという。

  • 土管の中の被災者を探し出すドローンの仕組み(東京工業大などの発表資料より)
    土管の中の被災者を探し出すドローンの仕組み(東京工業大などの発表資料より)
  • 土管の中の被災者を探し出すドローンの仕組み(東京工業大などの発表資料より)

夜間の災害現場、「雑音」の中から助けを呼ぶ声を察知

   東京工業大などの発表資料によると、これまでドローンなどのロボットによる人命救助はカメラの視覚的方法に頼っていたため、夜間は使えなかった。一方、集音装置を付けたドローンを飛ばし、助けを呼ぶ声から被災者を探す方法も試みられてきたが、主に2つの問題が障害になっていた。1つはドローン自身から生じる羽音や風音によって、被災者の声を捉えにくいこと。もう1つは、上空を飛ぶヘリコプターや地上の機材を使った救助作業などの「雑音」の問題だ。

   研究チームは、聖徳太子が一度に多くの人の話を聞き分けた故事にならって、複数の人が同時に話しても、それぞれの位置や声を聞き分ける「HARK」と呼ばれるロボット用の技術を応用。ドローンに計16個のマイクと三次元の音源特定地図を取り付け、人の声以外の雑音をとり除いて、被災者の位置を特定できるようにした。

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