肺に病気を抱える人は都心部を歩くと息苦しさを
その結果、両方の場所で次のように大きな差が出た。
(1)肺活量は、ハイドパークでは最初の1時間で大きく向上し、この改善効果はウオーキングが終了した24時間後も続いた。しかし、オックスフォードストリートでは最初の1時間でほんの少し向上したが、ウオーキングが終わると元に戻った。
(2)動脈硬化は、ハイドパークではウオーキング後に健康な人と慢性閉塞性肺疾患の人がともに24%改善(=つまり血管が柔らかくなった)、心臓病の人が19%改善した。しかし、オックスフォードストリートではわずかな改善しかみられなかった。健康な人が4.6%、慢性閉塞性肺疾患の人が16%、心臓病の人が8.6%という結果だった。
(3)特に慢性閉塞性肺疾患の人が、オックスフォードストリートを歩く時に気道が狭くなり、息苦しさを訴える人が多かった。
こうした結果について、研究チームのジュンフェン・ファン教授(環境保健学)はプレスリリースの中でこう語っている。
「ウオーキングは、高齢者や慢性疾患をもつ人ができる唯一の健康トレーニンです。しかし、歩く場所に注意しないと、健康効果が相殺されます。オックスフォードストリートで測定数値が大きく下がったのは大都会に住む人は排気ガスのひどい地域は避けて、緑豊かな広々とした公園を歩くことを勧めます」