【この差って何ですか?】(TBS系)2017年11月28日放送
「お通じが良い人」と「お通じが悪い人」の差
ゲストで登場したタレントの松本明子さん(51)は、40年以上も便秘で悩んでいたと打ち明けた。ひどい時は腸のエックス線写真に、便が4キロもたまっていたことがあったというから驚く。
お腹が張る、憂うつになる、イライラする――。番組が街で話を聞いた便秘の女性たちの口から出た言葉だ。放置しておくと気分だけでなく、実際に体調を崩してしまう。
「大ぜん動」が起きているか
便秘が長く続くと、腸にたまった便が腐り、そこから出る有害物質が全身に広がって肌荒れやむくみを引き起こす。さらに悪化すると腐った便が大腸をふさぎ、最悪の場合は大腸が破裂するというから恐ろしい。特に60歳以上の女性は、6人に1人が便秘という調査結果もある。加齢による腸の力の衰えや、ストレスにより腸が正常に働かないことのほか、東邦大学医療センター大森病院の渡邉利泰医師は別の原因に迫った。
「お通じ」の良い、悪い女性を調べてみたところ、その差は腸の動きにあった。キーワードは「ぜん動運動」と「大ぜん動」だ。
ぜん動運動とは、大腸がゆっくり伸びたり縮んだりする動きで、24時間いつでも起きている。一方、大ぜん動は激しくダイナミックな動きで、ぜん動運動の200倍も速い。
渡邉医師「お通じの悪い方は大ぜん動が起きていない」
ぜん動運動だけでは便をゆっくりとしか押し出せないため、良いお通じのためには大ぜん動が必要なのだ。しかもチャンスは、1日数回だけ。それでも、生活習慣をひと工夫すれば、大ぜん動は誰にでも起きるという。
その条件は、「食事と食事の間は8時間何も食べない」だ。
夕食を19時~20時に済ませ23時に就寝
大ぜん動のメカニズムは、こうだ。食事をすると、口に入ったものは胃が3時間かけて消化し、さらに小腸で5時間かけて消化された後に大腸に送られる。胃と小腸が空っぽになって初めて、大ぜん動が起こる。
食間を8時間あけるとなると、日中活動しているときは難しい。だが、就寝時間を含むとなれば、比較的容易ではないか。
そうなると、夕飯の時間がポイントとなる。渡邉医師が勧めるのは、夜19時~20時の間に食事を済ませ、23時に就寝する生活のリズムだ。床に就く3時間前までに食べ終わることが重要。そうでないと胃が食べ物を消化しきれず、睡眠が浅くなってリラックスできなくなり、大ぜん動が起きにくくなる恐れがある。
40年間便秘に苦しんだ松本明子さんだが、振り返ると当時は「寝る前まで食べていて、朝まで間があかなかった」。6年前に克服したが、きっかけは生活習慣の改善だった。18時台に夕飯を食べ、0時に布団に入る生活を1か月続けたら、便秘による肌荒れや肩こり、更年期障害、冷え症がすべて解消したと話した。