北のミサイルと自民の失言 池上彰さん「因果関係ないと信じたい」

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   ジャーナリストの池上彰さん(67)のテレビ番組での発言が注目を集めている。

   番組では、自民党議員の失言や問題発言と北朝鮮のミサイル発射のタイミングが重なっていると紹介。池上さんは「因果関係があるわけではないと信じたいですよね」と語ったが――。

  • 池上彰さん
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自民党議員の失言とミサイル発射時期が重複...!?

   池上さんは2017年12月12日放送の教養バラエティ番組「教えてもらう前と後」(MBS/TBS系)に出演。「2017年決定的瞬間」として、務台俊介元政務官や今村正弘前復興大臣、稲田朋美元防衛大臣ら自民党議員の失言や問題発言を紹介した。そのなかで、「失言というとこの人を欠かすわけにはいかない」と麻生太郎副総理の名前を挙げた。

   麻生氏の直近の「失言」といえば、今年10月26日、衆議院選挙に大勝した自民党について述べた「明らかに北朝鮮のおかげ」発言が記憶に新しい。野党などから批判が相次ぎ、翌27日には発言を釈明する事態に発展したが、池上さんは「失言ではないんじゃないか」と持論を展開した。今年6月以降、森友・加計問題によって支持率が急落していた安倍政権だが、選挙中は「北朝鮮の脅威から国民を守り抜く」ことを公約に掲げ、支持率を回復させていた。

   番組では、「内閣が危機に陥ると、申し合わせたかのように北朝鮮がミサイルを発射している」として、自民党議員の問題発言とミサイル発射時期を照らし合わせて紹介。

3月8日:務台氏「長靴業界は儲かった」→3月6、22日にミサイル計5発発射
4月16日:山本幸三全地方創生大臣「学芸員はがん」、4月25日:今村氏「まだ東北でよかった」→4月5、16、29日に計3発
5月15日:大西英男衆院議員「がん患者は働かなくていい」→5月14、21、29日に計3発
6月27日:稲田氏「自衛隊としてお願いしたい」ほか→7月4、28日に計2発

「麻生さんの発言というのは非常に正直だったのかもしれない」

   放送以前から、安倍政権の問題事項と北朝鮮のミサイルの関連性を疑う人はおり、

「安倍総理ピンチで決まって飛んでくる北朝鮮ミサイル」
「国会で安倍がモリカケで攻められると北ミサイル」

といったように、安倍首相の「陰謀」説を唱える人もいた。

   8月30日の衆院安全保障委員会の閉会中審査では、前29日のミサイル発射時の迅速な対応について、

「なんでこんなに早くできたんですか。つまりこれ、実は撃つ前から分かっていたんではないか、というような見方をされる方もいます」

と、民進党の後藤祐一衆院議員が質問をぶつけていたこともある。ネット上ではこうしたやりとりを上述の陰謀論と結びつけるような向きもあった。

   番組からは、自民党議員の失言と北朝鮮のミサイルのタイミングが「示し合わせたように」(出演した藤澤恵麻さんの発言)重なっているようにも受け取れるが、池上さんは「因果関係があるわけではないと信じたいですよね」とひとまず否定。一方で、

「そもそも、失言が相次いでいた時にミサイル発射実験も相次いでいたっていうことなんですけれども。その結果、失言が消えてしまったり、下がりかけていた安倍内閣の支持率が上がったりということにはなっているという点では、麻生さんの発言というのは非常に正直だったのかもしれない」

と述べた。

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