「健康のためにコーヒーを飲む必要はない」
やっぱりコーヒーは健康飲料だったと言いたいところだが、実は結論はそうではないのだ。
まず、研究者らによるとほぼすべての論文で「GRADE」の評価は「低品質」もしくは「とても低品質」とされており、コーヒー消費と健康成果の関連性の多くは、交絡因子(コーヒー以外の影響を与える要因)によって大きな影響を受けているとされている。また、肯定的な結果が得られた研究のみが公開されている可能性(出版バイアス)を示す証拠もいくつか見つかっており、
「コーヒーを飲む習慣自体は良いかもしれないが、健康のためにコーヒーを飲む必要はないという結論になる」
とも指摘している。
今回の論文が掲載された英国医師会誌も付随論文(専門誌としての解説)を発表しており、その中で、
「医師が病気を防ぐためにコーヒーを飲むよう勧めるでしょうか? 我々は健康上の理由からコーヒーを多めに飲むべきでしょうか? 両方の質問に対する答えは『いいえ』です」
と断言している。コーヒー党の人がコーヒーをやめる必要はないが、紅茶党や日本茶党だった人が、わざわざコーヒーに乗り換える必要はなさそうだ。