【すくすく子育て】(Eテレ)2017年12月2日放送 「子育ては孤独?ママの人間関係」
気軽に話せる友達ができない、SNSを見て孤独を感じてしまう...など、出産した女性の人間関係は大きく変わりがちだ。
子育て中に孤独を感じたことがあるかという問いに、53.2%のママが「ある」と答えたという調査結果もある。番組では、ママの人間関係と孤独について、恵泉女学園大学の大日向雅美学長と、武庫川女子大学の倉石哲也教授を交えて話し合った。
「子供のためにもママ友を」と考える必要なし
東京都に住む青野真実さんは、実莉(みのり)ちゃん(1歳1か月)のママだ。子供の話を自由にできるママ友がほしいが、自分から積極的に話しかけられないという。
青野さん「ヘマするとこの子にも悪いかな、あんまり派手なお母さんはこの子と合わないかもしれないとか。私自身の友達だったらそんなの気にしたことないのに」
出産前はバスガイドの仕事をしていて、友達との時間も楽しんでいたが、今は夫としか会話しない日もあり、ストレスが溜まっている。
青野さん「他愛ないおしゃべりができる人がほしい。それがこんなに難しいとは...」
倉石氏「チャンスがあれば、自分が行ってみたいお店や場所に子供と行ってみるといい。そこで出会う人と食や店のものの話ができたり、店員が話しかけてくれたりして、新鮮さが出るかと思います」
MCのアンガールズ・山根良顕からは、パパとしての悩みも飛び出した。
山根「旦那が話すバランスも難しくて、『悩んでる』って言ったら(ママは)『私の方が大変だよ』となっちゃう時もあるし、充実した話をすると『いいよね~』みたいになったり。ママからしたら、どのくらいの話をしたらいいか知りたい」
青野さん「聞き8割、コメント2割くらいがありがたい。共感と夫の失敗談と励ましがほしい」
子供のためにママ友がいた方がいいのでは、と考える人も少なくないだろうが、大日向氏は「その必要はない」という。
大日向氏「3~5歳くらいになったら、子供は自分たちで友達を作る。今はママとお子さんの関係を大事に作っていればそれで十分」
友達のSNS見て「何か取り残されてる」
神奈川県の森本あかねさんは、27歳でありさちゃん(5か月)を出産した。幸せいっぱいの毎日だが、ふと悲しくなる時があるという。
森本さん「友人が誕生日会をやっていたり、ゴルフ行ってたり、飲み会やってたりするのをSNSで見ると、『あー、行きたいのにな』って」
生命保険の会社で営業として働く森本さん、現在は育児休暇中だ。
森本さん「仕事で毎日いろんな人に会って、知識も経験も増えていたけど、今は毎日朝起きて家事やってお昼寝、お散歩行って、みたいな、同じことの繰り返しになっているので、子供の成長はあるけど、『これってどうなんだろう』って考えると孤独になる」「何か...取り残されて...何が起きているのかわからないような感じ。電車で『この人きっとバリバリ働いている女性なんだろうな』みたいな人を見ると、私は今汚されてもいいような服着て、全然違う世界にいるんだろうなと思って、悲しい気持ちですね」
倉石氏「人間関係やこれまでの頑張りがなくなる喪失感は、頑張ってきた人みんな体験すると思う。喪失感はしばらく続く。子供が小さいうちは、自分がダメだなと思う時はSNSを見ないようにするのを心がけて。自分がどうやったら幸せになっていけるか考えたらいい」
大日向氏「ママとして充実していても、女性であり、社会人であり、一人の大人である自分がほしいのも当たり前。設計図を作ったらいい。今は8~9割ママだけど、保育園や幼稚園に入ったら営業を始めようとか、設計図を壁に貼る。『1年後にはこういう私になれる』と、先が見えると暗闇が少し明るくなる」