野球解説者の張本勲さん(77)が2017年12月10日放送のテレビ番組で、FA選手になってから1か月以上が経過し未だに所属先が決まらないイチロー選手(44)に対し、「日本球界には戻ってほしくない」「戻れば球界が荒らされる」と発言し激しい批判に晒されることになった。
発言の真意は何なのか、様々な詮索が行われ、中には「張本の考えにも一理あるのでは?」といった賛同の声も出ることになった。
「荒らされますよ、日本のプロ野球界が」
張本さんの発言はレギュラーコメンテーターを務めるTBSテレビ「サンデーモーニング」であった。現在大リーグでは上原浩治投手、ダルビッシュ有投手、青木宣親外野手などの日本人選手がFAになっていて所属先が決まっていない、と紹介されると張本さんは、
「イチローが一番心配なんですけどね」
と語り出した。大リーグの球団と契約できなければ、日本に戻ってくるという選択肢がある、としたうえで、
「戻って欲しくないわね。もう」
と発言した。それを聞いたキャスターの関口宏さん(74)は、
「え?」
と驚いて大きな声を出した。張本さんは、
「いやぁ、やっぱり、あの、行ったり来たりね、芝居の幽霊じゃないのにね。(日本では)やってもらいたくない。荒らされますよ、日本のプロ野球界が」
と続けた。関口さんは張本さんに対し何か言いたげな表情を一瞬見せた後、それを押し殺すようにして次の話題に移った。
ネット上では「なぜイチローを嫌う!?」「荒らされるって何だ!?」などと大騒ぎになり、
「日本、MLBで活躍し実績を作っている選手に『荒らされる』はあまりにも失礼」
「なんでこんな人をコメンテーターとして出してるのか理解に苦しみます」
「自分の立ち場がなくなる?保身ですか?普通だったら、人気凋落の現況を変えてくれるとお願いするべきなのでは?」
「もう一度日本で活躍するイチローの姿を見たい日本人は多いと思う」
などと張本さんに対する激しいバッシングが起こった。
張本さんが番組で語ったのはこれだけのため、発言の真意は何なのかは分からないままだ。
キングカズに「おやめなさい!」と引退勧告をした過去
ネット上では張本さんの発言の真意について様々な詮索が行われていて、中には張本さんに賛同する人もいないわけではない。掲示板には、
「黒田みたいに契約延長してくれと言われ戻るのと、首になって戻るのとでは違うからなぁ。イチローはレジェンドだしWBCでも頑張ってくれたけど、NPBで通用しなくて叩れるの見たくないわ」
「ハリーはイチローにはもう日本球界で3割打つ力はないと思ってんだろ。そしてそんな人間が日本球界に復帰すれば、聖域確定で日本球界にも悪影響」
「アレだけメジャーリーグに拘ったんだから、契約出来なければそのまま引退しとけ見苦しい」
などといったことが掲示板に書き込まれている。
張本さんの今回の発言で思い出されるのが15年4月12日放送の同番組だ。「キングカズ」ことサッカーの三浦知良選手(50)に対し、「もうおやめなさい」と引退勧告をした。スポーツマンとしてはもう魅力がなくなっているとし、所属チームはJ2リーグで戦っている。J2は野球で言えば2軍だから話題性がない。いつまでもしがみつかずに若い選手に席をゆずり指導者になるべきだ、とした。この時も大バッシングとなり、張本さんは翌週の19日放送でこんな弁明をした。三浦選手と野球界の大スターの長嶋茂雄氏が重なって見えていて、晩年の長嶋さんに「もういいでしょう!」と進言したことがある。つまりは晩節を汚してほしくないという思いがあったということだった。三浦さんについては、引退は自分が決めること、と考えを改め、
「不満だけども最後まで応援しますよ」
と、引退勧告を引っ込めた。